11月9日10時からの決算説明会に参加、プレゼンのみで、質疑セッションで退席だが、内容は確認済。なお、11月4日に決算発表済、8月1日の1Q決算時に業績修正。多数の出席者、プレゼンは荻野社長。
1Qの不振を取り戻す
期初からは、上期の売上780→750→745億円、OP45→37→38億円、NP29→18→17億円。OP外で為替差損が15億円発生。1Qは前期末に売上集中の反動もあり、OP赤字となったが、2Qになり、ペースを取り戻し、加えて国内では診療報酬改定のプラス効果もあった。
国内は5%増収、市場別には私立病院が増え、診療所も堅調、海外は8%減だが為替換算のためで、現地通貨ベースでは4%増、米、アジアの他、その他が大きく伸びたがエジプトでの商談による。
生体計測は、脳波計、心電計は減だが、心臓カテーテルが増、生体情報モニタは国内の病院向けにベッドサイドモニタやテレメータが増、治療機器は除細動やAEDが減だがペースメーカーが増加、人工呼吸器は病院新設で大幅増、全体で消耗品保守サービスは46%へ上昇。
通期は修正どころか現状の為替では上ブレもあろう
通期は、今回が初めての修正で、売上1750→1705億円、OP175→170億円、NP115→107億円。為替は109→104円/$(下期101円/$)、123→116円/€(下期113円/€)。CAPEX100→90億円、DEP40→34億円、R&D73→65億円。R&Dは所沢に集約、本社管理部門も西落合に統合移転で、CAPEXは高水準だが、やや減額は西落合事業所改修のタイミングずれ、Depはデモ機や金型のずれこみ。R&Dは、かなり多くのテーマを見込んだが、上期の実勢に合わせ見直し。下期は、自社製消耗品の拡大、短納期商談増で収益改善を図る。増収効果は45億円減る上、為替見直しのマイナス7億円はあるが、人件費・経費増を21億円抑え、R&DやDEPの抑制14億円で、OPの減額は小幅。
海外は弱かった独は直販と代理店での両面作戦、米は新製品ラインアップも揃い、大手IDN(総合医療ネットワーク)との関係強化も進んでいる。
セグメント別では、生体計測が408→396億円、生体情報モニタが592→579億円、治療機器が326→307億円、その他は423→423億円。なお、2Qの好調からは下期は慎重との質問に対し、下期は堅調な上、下ブレ気味の欧、中も挽回が可能だと回答。また、現状の110円/$の為替次第では上ブレもありえよう。
長期2020ビジョン
2010年/3月から2020年/3月の10年の長期ビジョンを掲げ、2009年度から2012年度までの第1ステージ、2012年度から2016年度までの第2ステージは計画売上1820億円(国内71%)、OP200億円に対し、現状は、売上1705億円(国内74%)、OP170億円と下ブレ傾向。2019年度は売上2000億円以上(国内65%)。
このため、重要課題として、①世界トップクォリティの追求、②技術開発力の強化、③地域別事業展開の強化、④コア事業のさらなる成長、⑤新規事業の想像、⑥企業体質の強化をあげている。今回は、③と④について説明。
評価
メディカルビジネスは、長期での医療政策は決まっており、それに沿って、どう戦略を立てるかは決まっており、むしろ新製品新技術や販売網・営業の勝負となる。その意味では、運の要素は少ない。前者では、一社だけではフォロー仕切れず如何にオープンイノベーションを推進、海外の有力企業や大学研究所と連携するかが鍵であり、また、収益性では、センサーを強化、消耗品でコストを下げ儲けるかであろう。