去る11月8日13時〜14時の説明会に参加した。決算発表は11月7日。プレゼンは上田社長、藤野CFO、三浦常務その他が出席。充実したプレゼン資料に基づき、業績と戦略について、詳細な説明。資料には、為替、アフター比率、その他、必要なデータがあり、意識も高いと感心する。
質疑は、細かい足元の業績動向が多く、中期の議論が少ないのが残念。1時間の説明会だが、今回は、プレゼンが40分強、加えてマイクの調子が悪く、質疑も含め非常に聞き取りにくかった。
業績は好調、既に中計を達成
業績は、この数年間、非常に好調。最高益更新中。円高の中、上期は減収ながらOP6%増益。売上1548億円、OP152億円、NP103億円。現地通貨ベースでは、3%増収、31%増益。為替影響はOPで37億円。通期は、売上3500億円、OP360億円、NP240億円は不変。OPは、中計OP350億円は達成している。
セグメント別では、計測が主力の液体クロマトグラフィー(液クロ:LC)や質量分析計(MS)が好調でミックスも良化、Opm15%へ。構成比28%まで上がったアフターは昨年特需の反動減。医用は黒字化達成、X線TVシステムが好調。アフターは32%へ。航空機器も防衛向け搭載部品が好調でトントンへ。産機は、SPEやFPE向けターボ分子ポンプが好調。他方、油圧や工業機器が減。アフターも14%となったが、韓国や中国向けターボ分子ポンプが好調。
地域別は、日本が新薬開発向けLCやMS、医療は血管造影が好調。北米は全体的にやや減、中国も製薬・食品や官公需が好調。
下期も堅調、打ち手もいい
下期は、円高はあるが、環境は良好のようだ。
分析老舗大手
精密業界に属するが、分析機器メーカーであり、クロマトグラフィーで有名、大学時代にも実験で使用した。X線など医用機器、ターボ分子ポンプなど産業機器、航空機器にも展開、社員の田中耕一氏のノーベル賞受賞は有名。
IR関係者や社史その他によると、社章の「丸に十の字」は、創業者の祖先である井上惣兵衛尉茂一が、姫路にて、薩摩の島津義弘の世話をした褒美として、姓と家紋を与えられたという。もともとは、当時は精密加工のハイテクだった仏具を扱っていたが、明治時代になり、これからは、科学技術だということで、京大向け等に、分析機器を始めたという。創業者は、島津源蔵だが、GSユアサの合併前のGS側(日本電池)は、日本で初めて鉛電池を製造した二代目島津源蔵のイニシャルである。
なお、弊社のマークも、「丸に十文字」をモチーフにしているが、これは若林家の家紋が「丸に十文字」故である。社名も「丸に十」の英語である。先祖が島津家と関わりは不明。大聖寺前田藩とは関係はある。
接点は長い
接点は、学生時代からで、リクルートで何度か訪問した。
社風・経営スタイル・戦略
社風は、実直・堅実だという。
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