JEOLの上期決算説明会(11月30日)に参加し、質問もした。なお、11月11日に決算と業績修正は発表済。プレゼンは栗原社長が30分強で濃密な説明、質疑は、栗原社長に加え、技術については岩槻副社長、出席は、他に二村氏、司会は大井氏。質問時間はたっぷりあったが、業績動向以外にも、主力の電顕だけでなく、好調な産機のEB等、多くの質問が出て、充実していた。
業績は上期改善、通期は円高もあり今回下方修正
上期業績は8月12日の1Q決算時点で、上期のみ、円高と理化学計測・医用中心に下方修正されたが、それよりは、改善した。売上420→444億円、OP赤字18→赤字8.6億円、NP赤字27→25.7億円、OP外の改善が少ないのは為替差損が9億円もあったことによる。
通期は、これまで据え置きだったが、今回下方修正、売上1070→1000億円、OP30→18億円、NP18→1億円、為替前提は、110→106円/$、120→117円/€。円高影響が46億円(上期21億円)。足元、トランプ政権決定後、円安にふれているが、為替予約もいれており、大きく変わらないようだ。
理化学計測は踏ん張り所
主力の理化学計測では、補正予算効果もあった2013年度をピークに下降局面だが、今が踏ん張りどころだろう。
産機は期待
産業機器は、同社にとっては、新規開拓分野であり、他社との連携も多く、面白い。足元も強いが、今後、会社が考えている以上に、大きな潜在性があろう。第一は、IMS社との連携とEB描画である。第二は、EB加熱による蒸着。第三は、金属3Dプリンタであり、国家プロジェクトは前倒しで順調。
医用機器
全体
ヨコグシ効果も出てきており、中期の2018年度の売上1200億円、OP75億円は不変、ややハードルが高いように見えるが不可能ではない。産機と為替次第では十分ありえよう。しかし、むしろ、為替に中立なサプライチェーン体制を築いてほしい。今回は、あまり説明は無かったが、消耗品メンテサービスなども鍵だろう。