2016年12月13日 JDIがJOLEDを統合、INCJが750億円を投入

 

日経新聞報道によると、JDIの再編とINCJからの資金投入が成されるようだ。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXKASDZ12HWL_S6A211C1MM8000/?dg=1

 

INCJ75%を持つJOLED株のうち35%を超える持ち分を2017年中に譲り受け、JDIJOLEDへの出資比率を15%から50%超に引き上げ。必要資金は百数十億円の模様。液晶とOLED両輪での成長戦略を進めるためJDIは筆頭株主のINCJから750億円の資金支援を受ける。劣後債とCBの組合せの模様。

 

JOLEDについては再三再四、問題点を指摘している。本来は、清算あるいは、鴻海等に売却するのが望ましいが、少しスッキリはするし、しないよりマシである。

 

http://www.circle-cross.com/2016/08/06/201685-ジャパンディスプレイ1q下方修正-日経報道ではincjが支援/

 

http://www.circle-cross.com/2016/08/10/201689-jdi1q決算説明会-まずjoledのケリを/

 

そもそも、JDI15%しか保有していないのに、R&D費等の名目で、JOLEDの巨額の赤字を負担しており、これが本来の姿。しかし、清算や売却でなかったため、JDIの負担は変わらない。JOLEDは、実態、債務超過の可能性もあり、どういう株価前提でINCJが売却したか、それで、どれだけJDIB/Sが負担になるか不明である。仮に、高値で売却したなら、INCJはプラスでEXITとなるが、JDIはマイナスであり、そこにINCJが資金投入というのはややこしい話だ。

 

 また、従来は、TVPC等の中大型を印刷方式でJOLED、液晶と小型スマホ向けは蒸着でJDIという棲み分けだが、JDIPC等の中型にも展開している。

 

日経報道では、印刷方式は、コストに有利だが、ppiで限界があるとしているが、問題は、それだけではない。すなわち、消費電力が高いゆえに、据え置き型の市場が中心になる。また、RGBそれぞれの寿命ばらつき、まだまだ色ムラなど完成度が低い。ppiが低くて、消費電力が高くてもいいのはTVだが、これは、液晶で10G投資が多く、液晶の方がコスト安である。また、LGでは同じOLEDWOLEDだ。最後の戦いに、この750億円が無駄にならなければいいが。これが希少なOLED技術者を終結、蒸着に集結させ、AKTやマクセル等の材料メーカーと縦型蒸着機を共同開発するならまだしも、印刷と蒸着で分散しているようでは望み薄だろう。