新 2016年12月22日 JDIの緊急テレコン〜JOLEDを傘下に、INCJより750億円

 

122118-19時でIR主催の緊急テレコン。他の会議中で参加できず、その後、テレコン再生聞いた。急だったせいか質問者は2名。プレゼン15分質疑15分くらい。30分で終わった。プレゼンは本間会長、質疑は有賀社長、吉田CFOが予定だが、実際は、本間氏と吉田氏。

 

ほぼ過去報道どおり、リソース分散

 

内容は、ほぼ報道通り、資金の出し手はINCJで、750億円を、OLED開発に投じる。印刷OLEDCB450億円、蒸着はローンで300億円。シャープが蒸着に570億円強と比べると同水準。しかし、分散、逐次投入の感が否めない。

 

さらに、JOLED株の買い取りや債務超過の可能性がある場合の増資、JDIが負担してきたと推定されるR&D7080億円の他、運営費などが含まれるかどうかが不明であり、新規投資やR&Dに回せる真水の分は、それほど多くない可能性もあろう。

 

どうせなら、750億円を、印刷・蒸着に分けるべきではないし、できれば、蒸着に集中すべきであり、さらに、シャープ鴻海やLGと組み、縦型にフォーカスすればまだ、可能性があったが残念だ。

 

もっとも、JOLEDとの一体化は、ある程度の評価はしたい。また、750億円で一息だが、このいわば種銭でで、銀行が、コミットメントラインを増やすとか、そういう方向に広がるかが鍵だろう。

 

印刷はまだ蒸着と比較できないし、将来はLCDと競合

 

印刷と蒸着は、フェーズが全く違う。数年前に、JOLEDは印刷をやめ、蒸着に集中すべきだった。また、かなりの応用分野でLCDと競合する。

 

海外との提携やユーザーへのリスクシェアは未定

 

さらに、これを機に、今回は、可能性だけで、言及はなかったが、JDIJOLED、それぞれ、どこかパネルメーカーと組むなど提携が広がるといいが、まだ不明であり、もっとスピード感がないと難しい。

 

あるいはアップル等スマホユーザーから資金を出してもらい、リスクヘッジで赤字を回避する戦略はいいが、具体的ではない。できれば、この提携とユーザーとの協業が同時に発表できれば、ポジティブだったろう。

 

あまりに投資家に甘い飴の中計

 

今回、プレゼン資料は工夫され、分かり易かったが、Depなど固定費が2016年度から2017年度に350億円増え、R&Dも増える中で、2018年度にOpm8%(すなわち、Op880億円また、2021年に売上1.2兆円、Opm13%1560億円は、にわかに信じがたい。