この1月5日に出された米国大統領科学技術諮問委員会(PCAST)による半導体産業強化策を紹介したい。これは、昨年10月31日に発足したPCAST傘下の半導体業界強化のためのワーキンググループによる報告書である。https://www.circle-cross.com/2016/11/26/2016年11月26日-米国がchina-challengeに-宣戦-布告か/。全44ページで、中国半導体の台頭(China Challenge)を警戒、牽制しており、その具体的な対抗策と、同時に、米国半導体産業強化策について、具体的な提言がある。
下記に示すように、1章から結論の5章と、付録がある。1章では、半導体産業の雇用や安全保障も含めた重要性やムーアの法則の限界など最近の動向、その中で、2章では、中国の台頭および、その業界への好ましくない影響、それに対して、3章では、米国で如何に産業をサポートするか政策、4章では具体的な施策や強化分野、付録では、更に幾つかの技術の事例を挙げている。
1. Challenges and Opportunities .................................................................................................. 4
2. Influencing Chinese Actions ................................................................................................... 13
3. Creating a More Supportive Business Climate in the United States .................. 15
4. Developing a “Leapfrog” Strategy for Continuing U.S. Leadership ..................... 18
5. Conclusion ........................................................................................................................................ 25
Appendix A. Moonshots – Methodology and Exemplars ............................................... 26
概要〜1-2章での半導体産業の概要と中国半導体の現状と強化策および対抗策
1、2章では、以下のように半導体産業の歴史から現状を述べ、その後で、中国半導体産業の現状や政策にについて言及している。
3章と4章では米の半導体産業強化政策とイノベーション戦略
今回の報告書では、この3章、4章が出色であり、極めて現実的実効的具体的な面と、理念的長期戦略的な側面があり、注目できる。3章では、基礎研究重視、人材への投資、税制、許認可のスピードアップ、等多岐に亘る施策が示され、4章は具体的な分野が示され、民間が強く、政府がサポートする分野と、民間が弱く政府が主導すべき分野に分けている。アポロ打ち上げ計画にならい、ロケット発射と表現。