1月26日16〜17時に3Q説明会に参加、質問もした。当日は、黒江氏から吉田芳明氏に社長交替も発表され、新任の簡単な挨拶もあった。中村CFOの業績説明の後、吉田新社長から今期の説明、質疑にも答えた。なお、質疑の多くは足元のテスター市況に関するものが多かったが、役員の明氏が回答。短期のテスターの市況動向も重要だが、新社長の見極めがもっと重要だろう。
業績はメモリテスター好調
3Q決算は、受注440億円、売上314億円、OP10億円、2016年度通期は受注1580→1600億円、売上1560→1580億円、OP145→160億円、NP120→130億円だが、メモリテスターの上ブレが大きい。差引4Qは受注437億円、売上504億円、OP67億円は十分いけそう。
新社長登場
黒江氏は、前々社長のエース松野氏の急逝をうけ、生産畑から社長に就任、それまで赤字続き、かつ、ベリジー買収直後で財務も悪化していたのを立て直した。1月早々に、3Q決算結果を受け2016年度の黒字着地を見据えて、吉田氏に後を託すと話があったそうだ。
温和で如才なさそうだが懐深そう
私自身は初めてだが、経営企画や社長室長も歴任であり、アナリストはや金融関係者とは関係が深いだろう。挨拶は簡潔、気負った風もなく、新たに中計等ビジョンの発表もない。御苦労もあり、懐は深そうだ。
抱負と実績
抱負としては、①グローバルオペレーション深化、②B/S改善もあり、新規チャレンジでM&Aも積極、③テストおよびテスト周辺は更なる強化、など。また、一体感がなくコスト高ではないかとの問いには、M&A当時は、コストシナジー無し、二つのプラットフォーム、という課題はあったが、かなりコストを絞り、また二つのプラットフォームでオーバーラップは無いのでもはや問題ではなく、個々の採算性は改善しているようだ。
計測の広がり
重要なのは、中期展開であり、①テスターが、半導体だけでなく、アンリツなどのセットと融合しており、そういう大きなドメインの中で、アドバンテストをどう位置づけるか、②さらに、シーメンスのメンター買収もそうだが、テストという計測と制御や製造が接近しており、もう少し広く競合分析などもすべきでは、と③質問もしたヘルスケアなど新領域でのビジネス展開の在り方、である。