1月31日17時半〜18時半の決算説明会に参加した。プレゼンは山西CFO、質疑は、植村副社長、齋藤常務が対応。上方修正やM&Aも多く、参加者、質疑共に多い。ただ、ギャラクシーノート向け電池を他がけるATLの状況や、OLEDでも注目される傘下の半導体エネ研、また、これまで買収した企業のノレン・無形固定資産の状況などは質問も開示がないのは不思議だった。
IR戦略とアナリスト
決算説明会参加は久しぶり、他と重なるためHPで再生を視聴が多かった。TDKのIRは一般的には優秀だという評価だろう。IR開示は数字も詳細で事業部別の説明など豊富だ。以前は技術に特化したシニアのIR担当者も配備。しかし、何かが欠けている印象がある。
磁気からM&Aで多様なIoTセンサーへ
TDKとのお付き合いは25年以上に及び、INPUT回数は50以上だが、セルサイドアナリスト時代には、直接担当はなかった。また、中身も会社全体というよりは、フラッシュメモリーの競合としてのHDDの磁気技術を調べることが中心であり、よく議論もした。
最近では、スマホの成長鈍化とRF系競争激化の中で、買収したエプコスをQコムに売却、そのキャッシュで、インベンセンス、トロニクス等グローバル企業を買収、生産拠点は国内半導体工場を獲得するなど注目される。
Qコムと連合で村田に対抗、太陽誘電は我が道をゆく
ここ数年のポートフォリオ転換は、村田やQコムの動きと対比するとわかりやすい。
決算動向
決算は、3Qが売上3248億円、OP325億円、NP244億円、円高の中でq/qで増収増益、四半期ベースでは過去最高、クルマ向けインダクタや磁気センサーが伸び、スマホ向けも受動部品に加え、電池が好調、ヘッドも堅調。
通期では、Qコム向けRF譲渡益(OPベース1490億円、NPベース1200億円)もあり、HDDヘッドや金属磁石、アルミ電解コンデンサ等のノレンや長期資産減損などリストラ費用200億円をこなしながら業績を上方修正。年間は売上11400→11500億円、OP760→2130億円、NP520→1450億円。
来期はポートフォリオ転換へ
来期に向けては、M&Aのシナジーは大きいだろう。ソフトも含めセンサーソリューションの方向性も期待できよう。ただ、ここのところ急速にM&Aが相次ぎ、PMIが重要だろう。