先に、東芝メモリ株式会社の価値とビジネスモデルについても提案した。
https://www.circle-cross.com/2017/02/27/2017年2月27日-東芝メモリの価値と提案/
価値については、WDによるサンディスクの買収価格が1.4兆円と記したが2兆円だった。故に、最大3兆円の価値もありうる。
鴻海やTSMCなども意欲
その場合に、どこが高額の資金を出すかが問題となり、それを解決する提案をしたい。また、鴻海のテリゴー氏が出資に前向きであり、シャープのケースと何が違うかについても述べる。さらに、TSMCも含め台湾の半導体業界が、対サムスン連合の中で出資に意欲のようだが、そうなると、マイクロンの後ろにいるインテルも含め、半導体業界空前の大再編につながる可能性もあろう。
価値は市場構造変化を織り込む現状では3兆円もありうるが
従来、市場価値を、市況次第で、1〜2兆円程度、セルサイドアナリストの意見では1.5兆円、東芝は売却条件として、2兆円を下限としているようだ。この価値は、市況次第と相手にもよる。
https://www.circle-cross.com/2016/09/15/2016年9月15日-東芝の価値試算とポートフォリオ/
価値だが、一つの根拠が、WDが2015年10月にサンディスクを買った2兆円だった。当時のNANDスポット価格からの値上がり幅、同業のマイクロンやSKハイニックスの業績も改善、株価の上昇幅が、50-60%アップである。
成長に最適な組み先には高すぎる
それゆえ、仮に、今、サンディスクを買うなら、当時の5割増の3兆円となる。つまり、東芝メモリ社の将来と、東芝本体の救済の両立が、難しいのだが、そこで下記を提案したい。これは、よく考えてみれば、今後のあるべきメモリ事業のあるべき姿かもしれない。
メモリをファブレスとファウンドリに分ける
それは、メモリ社を、プロダクト系のファブレス会社と生産系のファウンドリ会社にわけて、それぞれ上場させるのである。それぞれで、早期に上場を目指せば、2018年以降に備え、東芝本体もWHなど原子力のリストラやフリーポート対策も万全となる。
投資家にも選択肢が広がり、今後の戦略オプションも増える
投資家にとっても、その細かい嗜好に応じて投資先が選べるメリットもある。さらに、それぞれの会社で提携やオープンイノベーションも容易になろう。
鴻海とのシナジーはあるか
シャープ救済を巡って、鴻海とINCJが競った時は、鴻海を全面支持したが、今回は、支持しない。東芝にも、鴻海にもプラスと思えないからだ。