2017年3月3日 フォスター電機はポートフォリオ転換前でスマホの端境期の苦しみ

 

会社側は130日に3Q決算発表、同時に業績を下方修正している。スマホも、春の新モデルを控え、サプライチェーンにも注目される。同社は3Q説明会がなく、221日に個別取材で確認した。

 

前回に続き下方修正だが3Qは黒字浮上

 

 3Q業績は、売上497億円、OP11.5億円、NP赤字0.3億円。通期を売上16001650億円、OP4025億円、NP2010億円に下方修正。2Q決算時に続き下方修正だが、赤字の上期から3Qは黒字化。差引4Qは、売上470億円、OP10億円。4Qの為替前提は100110/$

 

 下方修正は、ほぼ、スマホ向けヘッドセットのIT部門、受注減に加え、工程の混乱もあった模様だ。

 

来上期は端境期で微妙

 

問題は、来上期であり、昨年に続き赤字の可能性もあろう。

 

ワイヤレス・同梱の有無

 

通常、2017年は、「8」は無線給電、完全防水となり、その関係で、ヘッドセットも影響を受け、同梱タイプがどうなるかが微妙である。

 

台湾ライバルは音響から防水に参入

 

実際、台湾メディアでは、「7」シリーズでイヤホンジャックを廃止したことで、小型音響部品メーカーにとっては、技術的な参入障壁が高まったと指摘されているそうだ。

 

クルマ、振動へポートフォリオ転換

 

 中長期に向けては、スマホ向けヘッドセットなどは、台湾や中国との競合の中で、縮小もありえよう。ただ、スマホ以外では、スマホメーカーも多角化しており、いろいろなチャンスはあるだろう。クルマの他、VR、ヘルスケア等の新市場がある。

 

今こそ、経営重心®を少し左下へ移す時だ。