東芝が決算再延期並びに中期のあり方について、16時〜17時半に説明会を開催、参加し、質問もした。アナリストとマスコミ合同。今回は、無駄な質問は少なく、中期のあるべき姿についての質問も多かった。
出席者は、綱川CEO、平田CFOの他に、原発担当の畠沢常務、社外役員で、監査委員長の佐藤氏(公認会計士)が出席。最初に綱川氏より謝罪と挨拶、佐藤氏による決算報告書提出期限再延長承認申請書提出について開示書類通りの簡単な説明、その後、綱川氏よりプレゼン資料にそって、再生と将来の姿について、プレゼン。
特に、メモリも原発がない新生東芝の姿について、2019年度売上4.2兆円、OP2100億円(現在のメモリやWH含めると売上6.1兆円、OP5100億円、現状は、WHのノレンの減損を除くと、売上5.5兆円で、OP3000億円強は過去最高水準)という数字も含めてクリアになったのは良かっただろう。
質疑は、内容により各氏が対応だが、CFOが少なく、監査委員長も多かった。マスコミからは非礼ではないが、記者により、理解不足も多く、内部統制などは、質疑が噛み合わない例も多かった。WHの処理など不明な点も残されるが、いろいろ報道や政治家の発言も出ており、また半導体メモリもWHも、共に相手と交渉がある中で、ギリギリの開示や回答だろう。
二部落ち、管理銘柄
まず、今回の決算延期に伴い、①再提出期限は4月11日、②3月末の債務超過が濃厚であり二部落ち、③管理銘柄となった、④15日に内部管理体制確認書(これまでの9項目に加え、新たな追加事項はWHの管理体制、プレッシャ存在など)を再提出、が明らかにとなった。
ガバナンス内部体制、今回はレアケース
ガバナンス・管理体制などについては、今回の延期が、決算数字そのものというより、WHのトップによる不適切なプレッシャに関連するもので、プレッシャの存在は確認されたが、その追加調査に時間がかかっているようだ。専門家の佐藤監査委員長から見ても、M&A直後にB/Sに反映させる瞬間の内部管理の始まる直前というタイミングでの特殊な初の珍しいケースのようだ。
WHは非連結化でリスク遮断へ
報道が多いWHの対処については、マジョリティ売却による非連結化を検討していることは公式に認めたが、具体的な売却条件や、チャプター11については、まだ決まっていないとして明言を控えた。
原発以外のリスクとされる偶発債務1兆円のフリーポートについては、2019年度に100億円規模の引当金を計上するようだが、一気に減損があるようなことは全くない模様で、B/Sに大きな影響が出ることないことが確認された。
半導体メモリ
報道が錯綜している半導体については、明言を避けたが、外資系セルサイドから、株主からの質問とわざわざ紹介して、日本からの技術流出について確認したのは、違和感あるいは意図を感じた。
第三の道は社会インフラとエネルギー
新生東芝は、社会インフラであり、水・物流、エレベータ・空調、電池・鉄道、テックのリテール・プリンティングや、火力など発電、電力流通、国内原子力、水素エネルギー等向けに、デバイスやIOTをヨコグシで通す。やはり、テックはコアであり、先日の報道は誤解であった。もともと東芝がRDCで蓄積してきた強い分野であり、過去はメモリや原発にリソースを割き過ぎて疎かになっていた分、リソース配分が適正になれば、潜在力を発揮するだろう。
ジャパンストライクゾーンにITを通す
経営重心®でも、メモリと原子力という、極端なコアではなく、まさにジャパンストライクゾーンの領域である。日立や三菱電機と似ているようだが、流通やロボット、電池、超電導などは独自分野である。
ITは弱そうだが、デバイスでは、クルマ向けのビスコンチや、AIでは、RECAIUS、IOTアーキテクチャでは、SPINEXもあり、かつてのI作戦のリバイバルを期待したい。
売上4兆円、OPM5%か
この新生東芝の2016年度の売上3.9兆円、OP1416億円から、2017年度は売上3.85兆円、OP700億円、2019年度は売上4.2兆円、OP2100億円。