週末に、日経アナリスト人気ランキング発表、会社四季報(日経会社情報も)発売、また、最新号のFACTA誌によると今度の決算から決算短信の会社予想の義務づけが無くなるという。アナリストを巡る環境が大きく変わってくる。
最近のアナリストランキングは一層形骸化だが国内勢優位
セルサイドアナリストをやめて10年以上たつが、悲喜こもごものアナリストランキングであり、最後に所属し、リサーチヘッドとして日本株部門の体制強化に努めたみずほ証券が、その営業パワーもありトップ、また、全般的に国内勢が上位をしめ、効率重視で重要顧客特化の外資は凋落、はじめて日経でランキングが発表された30年前は外資が圧倒的だったのに比べ様変わりだ。
その中で、欧州系のクレディスイスが日本株のリストラを発表、複数のセクターで著名アナリストも対象になるという。
紙媒体が消える日経会社情報
四季報では、日経会社情報が、紙ベースでは廃刊、電子媒体が中心となるらしい。
決算短信で会社予想義務化がなくなる
上場会社の決算発表時に、同時に今期の計画が出されるのは日本の特徴であり、ならば、なぜアナリストがいるのだ、ということになるが、それはそれとして、四季報も、アナリスト、証券会社も投資家も、その前提の中で、活動してきた。
IFRS導入、四半期簡略化、アナリスト規制
さらにややこしいのは、IFRS導入である。
短期売買、短期主義の諸悪の根源とされる四半期決算はやめた方がいいが、通期も含め全予想を開示しないのは、日本のアナリストやマスコミ、また投資家のレベルから考えて、難しいだろう。
さらに、アナリストに加え、マスコミも、開示規制の対象になるという見方もあるが、あまり規制すると、却って、チェックができなくなり、粉飾の温床になるかもしれない。
いずれにせよ、本当に実力あるアナリストやファンドマネージャにとっては、上ブレ下ブレをチェックする傾向が多かった取材を排除する規制、会社計画の開示廃止、IFRSなど会計の多様化、などは、大いに活躍するチャンスだろう。しかし、大多数にとっては、業績数字の暗黒時代がやってくる。
アナリストにとっては真価を問われ、IRも開示姿勢も含め存在意義を問われ、また四季報も含め企業の業績を報道するマスコミも、そして、アナリストランキングも、大きな転換点だろう。