東芝の行方〜なぜ内外有力投資家が買っているのか

 

決算修正締め切りの411日に向け、監査法人と意見の相違、当局が厳しい見方、半導体メモリ入札も混乱などの報道もあり、いっそ上場廃止の悲観論も出ている東芝だが、株価は堅調だ。上場廃止なら、債務超過でもあり、個人などの株主が悲観して、投げ売り、株価は大幅に下落しそうなものだが、その中で、エフィッシモ(旧村上ファンドといわれるが実態の投資姿勢は不明)10%近くまで買い増し、米系のブラックロックやキャピタルなどファンダメンタルズ重視の有力な投資家も保有比率を高め、外為法規制ぎりぎりの10%まで保有する可能性もあり、少なくとも既に20%を超えているようだ。

 

なぜ上場廃止のリスクがあるのにヘッジファンドや米有力ファンドが買っているのか

 

 これは、どうしたことだろうか。一見、メモリ売却や、上場廃止を睨んで株価のボラは高まっており、その中での短期的なサヤ取りにも見えるが、そうだろうか?

 

 むしろ、実態は、これらのファンドは、東芝の潜在価値が、コングロマリットが解消され、再編の中で、顕在化することや、かつてのI作戦を狙う新生東芝の将来性に気が付き、また、株主として、再編の主導権を牛耳ろうとしているのではないか。

 

コングロマリット解体で上がる潜在価値

 

解体、メモリ売却の主導権

債務超過は会計制度と米政策次第

 

 

解体ショーで潤う金融・コンサル・法律

 

 

 

バラバラになり過ぎるのは技術が拡散する

 

これは、危険な兆候であり、日本の技術が丸ごと解体される可能性もある。現在の巨大コングロマリットは解体すべきだが、その程度であり、あまりバラバラになるのも問題だ。特に、総研や生産技研など、R&Dなどはある程度の塊は大事で、バラバラにされるとダメな分野もあるだろう。

 

正義やあるべき論で上場廃止となれば、一番、損を見るのは、当局が守るべき、一般の個人株主であり、その恩恵を享受するのは、その対極にある海外ヘッジファンドや監査法人・コンサルタントということになれば、当局も含めて皮肉な話だろう。