東芝が、物的分割で誕生した100%子会社の東芝メモリの売却先に関連して、1次入札の結果が判明したようだ。また、この売却に関して、提携中のWDが「物言い」をつけたようだ。
http://jp.reuters.com/article/toshiba-wd-idJPKBN17E0NK
ロイター通信によると、1次入札を通過したのは米ブロードコムとシルバーレイクの連合、東芝と傘下のサンディスクが提携中のWD、SKハイニックス、鴻海の4社の模様。鴻海が2〜3兆円、ブロードコム・シルバーレイク連合が2.5兆円、WDが1.5兆円、ハイニックスは1兆円程度のようだ。また、WDは、第三者への売却が契約違反であり、2兆円以上が高すぎるとしているようだ。
まず、金額だが、東芝とのシナジー効果、受けるメリットによって異なる筈だ。また、買収資金だけでなく、今後の成長を維持する上で重要な、毎年3000億円以上の設備投資資金余力も重要である。仮にメモリ社の価値を2兆円として、製造の付加価値が50%とすれば、1兆円となるが、その半分の5000億円はWD側にあるといえる。ならば、WD以外の第三者は、この5000億円分を余計に積み、かつ多値その他の技術も考慮しないといけないだろう。そうすれば、例えば、WDが1.5兆円なら、ハイニックスやマイクロンで2兆円、ブロードコムは2.5兆円などと推算できる。
これまでも、何度も言っているように、WDを外す選択肢はなく、WDをコアとして、他をどう入れるかだろう。あるいは、これまで主張している提案、①ファウンドリとファブレス会社の2社にわける、②全部を売却ではなく、持ち分法適用で資産価値をあげ、包括利益で債務超過を防ぐ、というやり方しかないだろう。