JEOLの決算説明会(5月26日10時半)に参加し、質問もした。なお、5月12日に決算と業績修正は発表済。プレゼンは栗原社長が30分強で熱のこもった説明、質疑は、栗原社長に加え、技術については岩槻副社長、二村氏、大井氏、金山氏など。司会は塩田氏。質問時間はたっぷりあったが、質問は、理化学と医療が多い。OP貢献では最大の産機はまだ少ないが、EB等も確認した。プレゼン資料は、業績動向も詳細で、特にBS予想があるのが、出色。
業績は改善、通期は上ブレ
業績は、2016年度は売上1000→997億円(受注989億円)、OP18→21億円、NP1→6億円と上ブレ。2017年度は売上1050億円(受注1050億円)、OP30億円、NP14億円、為替110円/$、120円/€。
セグメント別では、2015年度から主力の電顕の理科学計測が補正予算一巡で大幅減収減益、2016年度は底。医用も低下、産機が増収増益。既に、2016年度からは、利益では、産機が最大の貢献。なお、医用では、OEM先のシーメンスが、類似の製品を出し、リスクがあるようだ。ただ、堀場など新規が増える他、シーメンス向けも含め累計出荷1万台、実働6000台の実績を生かしサービスやソリューション強化し補うだろう。
産機では、マスク用で3台目の受注、直描でも新製品。スマホ用の2レンズ周辺のコーティング偏向銃が好調、売上20億円規模で倍々ゲーム。量産効果も効きやすく、かなりの利益貢献になるだろう。有機蒸着機向けソース関連はユーザーと開発評価中であり、採用が決まれば大きいだろう。
NMRでの「シェアリング」事業も注目。一台6-7億円であり、日本に1台しかないが、時間貸しが始まり、新しいビジネスモデルとしても注目される。
理科学と医用は厳しい?産機はもっと伸びる
今後、島津などの動向からも、しばらくは、理科学計測は低迷しそう。また、電顕でも、医療でも、ライバルの日立ハイテクが気がかり。他方、成長の鍵は、産機である。新規分野であり、他社との連携も多く、面白い。足元も強いが、会社が考えている以上に、大きな潜在性があろう。
大学等研究者との連携と目利き力をヨコグシ展開で生かせ
電顕はじめ理科学計測機の実績に基づく大学の研究者の長年にわたる広範な人脈は、極めて重要な同社の価値だろう。