5月11日に、ニコンの決算説明会が開催、参加し質問した。5月19日には、大きな組織変更、人事異動があった。中期的にも重要なので併せて論考したい。
説明会では、牛田CEO、岡CFO以下、ほぼ全幹部出席。
決算は今期からIFRSとなり単純比較できない
決算は、実績は、売上7500→7488億円、OP440→509億円、NP赤字90→71億円、FCF450→566億円と改善。今期は売上7000億円、OP450億円、NP340億円、FCF250億円は、かなり慎重だが、実績は日本基準、今期はIFRSベースなので単純比較はできない。為替は、110円/$、120円/€、OP為替感応度はドル2 億円、ユーロ5 億円。
IFRSの影響は、OPで50億円多めになる。故に、表面上で、OP50億円減益だが、同基準比較では100億円の減益となる。
半導体が黒字化、FPDが一時的に減益へ
セグメント別では、デジカメが横這い圏だが、シェアよりも採算性重視。一眼レフ市場1070万台(9%減)、ニコン250万台(19%減)であり、ミックス改善・付加価値アップを狙う。今後の製品戦略や流通革新が期待される。
半導体は、実績は赤字だが改善、今期は黒字想定。FPDが24台減の68台となり、大幅減益へ。ただ、2018年度は、露光台数は横這い、単価が高いG10.5が増え、増収増益へ転ずるだろう。
大きな組織体制変更
人事では、会長退任の他、取締役5名が退任、執行役は7名と大きい異動。組織では、コアテクノロジー本部が廃止され、研究開発本部と生産本部に再編、業務本部が廃止され、各機能を再配置、メディカル事業推進本部とマイクロスコープ・ソリューション事業部が統合されヘルスケア事業部が新設される。人事でも、コアテクノロジー本部やマイクロスコープやカスタムプロダクツ担当者が退任であり、この組織再編に関連しているのだろう。
プラス面とマイナス面
三つの課題
ニコンにとっての岐路