IoT時代には、モノだけでなく、業界も繋がる。それゆえ、自社の技術等の経営資源が、顧客や協業先のどういう経営資源との掛け算になるかが大事だ。その際には、相手の業務をどこまで理解できるかが鍵となるが、自社に、相手と同様の技術や応用を保有していれば、それが容易になる場合も多いだろう。
こういう時代には、ポートフォリオを狭く持つより、やや広く持った方が有効な場合もあろう。そこで、技術と応用のマトリクス表に、各社の事業ドメインを重ねてみると、IT系は、IT同士の掛け算で「閉じて」おり、それゆえ、意外な新分野が生まれにくいのだろう。IT同士では、AIもそうだが、自動化や効率性に大きな力を発揮するため、コストは下がるが、付加価値は向上しにくい。利益率は改善するが、売上も縮小する傾向にある。