3Q決算説明会が1月31日17時より、東京本社(シーバンスビル)で開催、プレゼンは野村副社長、執行役員の榊原氏、参加できなかったが、簡単に印象を報告、併せて、もっと重要な鴻海との化学反応について論考したい。なお、先日、以前、お世話にもなった、元副社長「ロケット」佐々木氏が逝去された。天国で安心されているだろう。心よりご冥福を祈りたい、
業績は順調だが、足元は懸念材料も
3Q業績は、売上以下、各項目で順調に回復している。セグメント別には、スマートホームが好調、y/yで大幅増益、OPMも改善、スマートビジネスはやや苦戦だが黒字維持。IoTデバイスはy/yでは減益だが、q/qでは改善、モジュールが意外と健闘した。ディスプレイも、TV価格下落やパネル市況軟化が懸念されたが、TVは中国向けが好調、パネルもクルマ向け等の中型シフトが奏功。
なお、ディスプレイの売上内訳は、TVセットが5割強、LCD5割弱(ほぼ中小型で大型は数%)、営業利益はTVセット、LCDとも黒字であり、LCDは大型がトントンで利益の大半が中小型のようだ。
その他、営業外や特別損益も改善、法人税は繰税の取崩し28億円があるが、トランプ政権の米国法人税引き下げの影響。
B/Sも順調に改善している。棚卸資産はq/qでやや増加だが、y/yでは同水準、季節性であり、パネルは適切にコントロールされ、問題はない。
通期予想は、不変であり、OP1000億円超えは十分に可能だが、中国スマホ不振、iPhone「X」の減産や、ロミオモジュールの生産性問題の影響が、パネルやカメラモジュール、3Dセンシングモジュールで懸念、また、旧正月商戦で、TV価格下落がリスクだろう。OLEDの堺G4.5などの立上げも鍵だろう。
来期に向けては、上記の足元の、「X」や中国スマホ動向、TV販売に加え、OLEDについて、G4.5立上げや中期のOLEDでの提携戦略が鍵を握る。
鴻海グループ再編
そして、鴻海グループ再編の中でシャープのポジショニングとシナジー効果が重要だ。iPhone関連事業を、IoTを担うFII社に統合し、上場するが、これが、IoTデバイスとどう連携するか。
鴻海がiPhone関連事業を上場計画、31日に臨時株主総会、グループ再編へ2018年 1月 28日
鴻海とのシナジーと化学反応
2015〜2016年のシャープ再建を巡る鴻海とINCJの騒動に関連して、大多数が鴻海にネガティブな見解を出し、シャープの将来についても悲観的だったが、ほぼ唯一、このブログでも、TVや新聞雑誌、ニュースピックスで、鴻海を支持、鴻海しかなく、シャープに大きなチャンスであり、復活すると断言してきた。幸い、両社の努力で、ここまで改善してきた。
そこで、改めて、両社のシナジーなど関係について触れ、多少の総括を試みたい。
家電メーカーの中での位置づけ
90年代は、横並びだった国内総合家電の方向性は変わってきた。ソニーは、ポートフォリオ入れ替えの中で、ガバナンス・組織体制を強化し、CMOSセンサーの追い風もあり、20年ぶりに最高益を一気に更新した。シャープは鴻海傘下でシナジー効果もあり復活、今後は最高益更新も視野だろう。パナソニックは、リストラはするが、テスラ依存が大きい上、役員に、新しい血を入れているが、体質は大きく変わらない。トヨタと提携は注目されるが、最高益は遠い。