日本電産が2017年12月からこの2月にかけ、立て続けに重要な動きを見せている、全て、車載モータ関連だが、2兆円、10兆円企業に向けての大きな布石だ。
PSAと提携、トラクションモータに本格参入(12月4日)
12月4日は、欧州第2位のクルマメーカーであるPSAとNidecのフランス子会社であるルロアソマーHD(2017年2月に買収、元々はPSA向けにトラクションを納入)が、EV向けトラクションモータでJVを2018年3〜4月に設立することを発表した。
EV化で2025年に1000億円へ
今回の発表は、車載関係では、EPSモータ等が中心であったNidecのトラクションへの本格参入であり、世界一流のクルマメーカーとのJVは、Nidecの技術力を評価されたことの証明であり、今後、一層、クルマ向けトラクションで成長するだろう。
どこまでドメインを広げるか
EVの駆動系では、電池やセンサー等の他、モータ、インバーター、減速機が、主要部品だが、今回のNidecは、デンソー、アイシン、コンチネンタル、ボッシュといったTier1、日立や三菱電機など世界のトップ級がひしめく市場に参入することになる。
3Q決算説明会(1月24日)で強調された4つの大波、HDD市場もデーターセンターサーバ用に上方修正
去る1月24日の3Q決算説明会では、モータに大きな4つの波が来ていると強調された。
この中で、クルマ業界は、垂直統合から水平分業へと変化、部品は共通化され、コストが下がり、差別化はソフトでなされるようになると永守社長はコメント。ケーレツも崩壊だろう。
他方、HDD市場もデーターセンタのサーバ用が急増、2017年市場を388→395mil台、Nidec出荷も331→335milへ上方修正。
この数年は空前の設備投資1500億円
この中で、2017年度は売上1.45兆円、OP1700億円、NP1280億円だが、中期の売上2兆円(M&A5000億円、クルマ7000億円〜1兆円)、OP3000億円(15%以上)は更に現実的となってきた。
特に、減速機など内外工場立上げもあり、この数年はCAPEX1500億円の可能性があるとコメント。
新社長に吉本氏(2月15日)
この2月15日には、永守氏が会長へ、50才ながら車載事業の経験が豊富で、トーソク等の子会社再建で経営手腕を発揮した吉本氏が社長となる人事を発表した。