富士通3Q決算後、株価が低迷、1年前に戻ったが、実態は下方修正であり、中期の構造改革効果に疑念が生じたと日経が報道している。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27200700R20C18A2DTA000/
富士通の株価は、ここ数年の構造改革を期待して、ITバブル時の5000円は程遠いが、田中社長就任前野高値を更新、ITバブル崩壊後の2006-2007年頃の高値水準1000円に迫る勢いで900円を超えていたが、600円台で低迷している。
確かに、2017年度の業績見通しは売上4.1兆円、OP1850億円、NP1450億円で不変だが、ケータイ事業売却がNPベースで300億円、OPベースでは400億円の影響分が上方修正、片や、インフラサービスの不採算損失が150億円、基地局などNWが150億円で計300億円の下方修正であり、実態、下ブレだ。
富士通が、ここ数年、IT分野でのハードからソフトに舵を切ったことは正しいだろう。しかし、ソフト化やAI導入などは、コストは下げるが売上は増やすのが難しい。売上を増やし、価値を高めるのは、ITと他分野の掛け算である。
しかしながら、富士通は、リストラの中で、そこの掛け算のハード分野まで売却し、あるいは、そこを新たなM&Aで補ってこなかった。ソフトは、グローバルでの技術革新が早く、競争も激しい。IT企業は自分で自分のクビを占めている印象だ。
それよりも、まだ差別化できるIT以外のハードのITとの掛け算で価値を生む戦略が重要だろう。新たな提携先を模索し、価値の付け方を意識すべきだろう。
さらに言えば、子会社の研究所も課題だ。