東芝の決算説明会に参加〜メモリ売却方針は不変と車谷Nextプラン

 

51514時半からマスコミ合同の決算&Nextプラン説明会に参加、質問もした。車谷CEO、綱川COO、平田CFOが出席。複雑な多元連立微分方程式を解いた綱川/平田両氏は、淡々としながらも、少し自信の様子であった。

 

プレゼンは、綱川氏の挨拶と方針、平田氏の業績詳細、車谷氏のNextプランに向けてという順番だが、Nextプランは、計数的な中身よりは、理念など考え方など方針が中心だった。綱川氏は、業績回復と債務超過回避で上場維持だが、単独では分配可能金がマイナスであり、無配であること、Nextプランを車谷氏と共に進めることを強調。車谷氏は、メモリ社売却方針は不変、中国独禁法承認についても、ネガティブな話はなく、万が一を想定してないとした。また、メモリ売却後に株主還元も示唆。Nextプランでは、22事業をグローバル視点でベンチマーク、ボトムアップで計画策定中のようだ。全社では、変動費調達など原価率改善方針。秋頃に、数字など詳細発表の予定。

 

質疑は、メモリ社売却の件、新生東芝の稼ぎ方などが多いが、車谷氏が中心で一部CFO、綱川氏は無かった。その後のアナリスト向け質疑会は途中で退出したが、HP視聴で確認、また、翌日のIRスモール会議も参加、質問で不明な点を確認した。

 

業績はメモリ含めれば27年ぶり過去最高益

 

 2017年度業績は売上3.95兆円、OP641億円、NP8040億円。NPは継続事業分で1443億円、非継続で6961億円から非支配持分帰属利益364億円控除から。株主資本は1.3兆円増加(WH関連債権、LG社売却3400億円増、減損やリストラで1300億円減、メモリも含め増益5300億円、増資6000億円)で、7831億円、17.6%へ回復。純資産は1兆円超え。Debt4913億円減り、ネットDebtレシオ24%へ。継続事業NPは、LG社株式売却668億円、ブラジル子会社譲渡損失324億円等があり、1443億円であった。

 

非継続事業NP6961億円だが、これは、メモリ社とWHの合計の税前利益7219億円(うちメモリ4657億円、WH2562億円)から、実効税率見合い税金2231億円とメモリ非適格分割評価益に関わる税金2485億円はあるが、WH関連税金費用減少4458億円による税金費用減がある。

 

 なお、メモリ社非継続組み換え前では、2017年度は、売上5兆円、OP5295億円、うちメモリが4791億円と大半を占めるが4QのみDep160億円が入っておらず、実際は4630億円。

 

実態は、メモリ分が80%、新生東芝分が20%1000億円強

 

エネルギーは火力が厳しく赤字148億円、インフラが480億円、リテールが270億円、デバイス(メモリ除く)473億円、インダストリアルICT13億円、その他でPC赤字96億円、映像が赤字86億円、全社消去が450億円程度。

 

全社消去などを除くと、実態はメモリが4630億円、新東芝分が1088億円と20%程度を占める。

 

今期は100円前提で微増だが、実態はOP1000億円規模

 

 今期は非継続事業を除くベースで、売上3.6兆円、OP700億円、NP1.07兆円。LG社やTV売却で1127億円、為替100円影響1500億円ある。為替100円が極めて保守的であり、この要因の200億円分を除けば、実態はOP1000億円規模であることが強調された。NPには、メモリ社売却益9700億円を含む。

 

 セグメント別では、エネルギーがロスコン引当なくなり、OP80億円で黒字化、インフラは公共が厳しくOP370億円で減益、リテールもOP190億円で減益、デバイスもOP210億円で減益。

 

デバイスでは、ニューフレアは増益だが、HDD減益、ディスクリートは既に二桁利益率であり、加賀、姫路とも工場フル稼働で堅調だが円高分厳しめ、システムLSIは、前期80億円程度の赤字から車載など開発費増で赤字180億円だろう。ファウンドリのジャパンセミコンは稼働8090%の模様。

 

メモリ社の影響

 

 メモリ社の影響が複雑かつ不明点が多い。1Qは非継続事業としてNPには税前で800億円、2Q以降は持ち分法として、2018年度として500億円を見込んでいる。

 

メモリ動向

 

 

 

メモリ社のB/S

 

 

 

中期の姿