理科大の新MOTは8割がいわゆる理系であり、必ずしも、経営学を学んでいない。理工学は、新たな理論が出てきても、基本は、従来の理論を否定、矛盾するものではなく、真実の知識、理論が積み重なっていく。また、対象により、ケースにより、理論の適応範囲や条件が明確だ。しかし、経営学は、いろいろな最新理論(実際は仮説だが)が登場、それは従来の理論と矛盾、整合性がとれない場合も多い。それゆえ、学生の多くは、最初は、これで、現場や事業の問題点を解決できると理論を有り難がるが、そのうち、失望したり、混乱する。そこで、ポーターの5Fや、BCGのPPM、バーニーのVRIOなど、いろいろで相互に不整合な理論を整理し、鳥瞰図を示す必要がいる。
戦略サファリ
そこで、久しぶりに、ミンツバーグ著の「戦略サファリ」を読み、簡単に整理した。同様の書籍には、波頭亮の経営戦略概論、高橋琢磨の戦略の経営などがある。
改めて、年代毎に、流行があり、若い時代、最初に経営学を学んだタイミングで、どの学派が主流だったかで、発想の原点が規定されることを再認識した。自身でいえば、80年代半ばであり、まさに、ポーター全盛、しかも、アナリスト向きであった。それゆえに、我々は、我々の世代は、そこに嵌ったし、少し上の世代ならば、SWOTになる。さらに、上ならば、シュンペータであり、プランニング学派となる。少し下ならば、VRIO等リソース主義、最近ならば、アントレプレナー学派になるのだ。
こうした様々な経営学を、状況に応じ、いわば、部品として、使い分けることが必要であり、そうした特別解を出せる能力を養うべきなのだ。それには、やはり演習しかないだろう。