シャープが、6月5日に、重要な二つの発表をした。二つとも妥当な決断だ。
第一は、2000億円の公募増資を実施するようだ。メインバンクの2015年のDESによるA種類優先株の買い取りに充てる模様。液晶事業の不振で経営危機に陥り、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ってから2年弱。「負の遺産」の処理にメドを付け、財務が正常化する。これで、銀行からの圧力も排除でき、成長へフォーカスできる。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31372500V00C18A6MM0000/
第二は、東芝PCを40億円で買収。ただ、80%程度で、少しは東芝が持つ。東芝のPCは、売却方針は決まっており、過去は、富士通やソニー等の日本勢が一緒になるとの見方などもあったが、その後は不明だった。日本連合では、負け組同士であり、課題が多かった。
https://www.circle-cross.com/2015/12/05/2015年12月4日-東芝-富士通-ソニー-vaio-pc統合-tvで放映されなかったコメントと分析/
シャープについては、従来から、憶測が報道されており、驚きはない。これが、過去のシャープであれば、負け組連合だが、鴻海の力があり、面白い。6月6日には戴社長が会見で、1-2年で黒字化に自信を示した。東芝のPCは、生産はEMSであり、技術部隊もあまり残っておらず、40億円はブランド価値だろう。PCは、鴻海の最も得意とする分野であり、1年で黒字化など容易だろう。シャープもかつてメビウスのブランドがあり、今後、PCをどう育成するか、興味深い。シャープの親会社の鴻海は、EMS部門を既に上場しており、今後の鴻海全体の戦略にも注目が集まろう。