去る6月8日10時より、恒例9回目の日立IRデー開催。昼食を挟んで午後の前半まで参加、質問もした、最後の電力は、英ホライゾン原発に関連して報道もあったが、HPで視聴。
最初、東原CEOによる挨拶、システム&サービス事業の塩塚氏副社長、インダストリアルプロダクツBUと産業流通水分野の青木副社長、産業流通BUの阿部常務、ビルシステムBUは関専務、鉄道BUのドーマー専務、電力BU小田常務、原子力BU武原常務が登壇、オートモティブ、金融・公共・ヘルスケア分野は無かった。阿部氏、小田氏、武原氏は初登場、関氏は、昨年はオートモティブだったが、古巣のビルの担当に戻った。
3階層のビジネスモデル
日立のビジネスモデルは、下記の3階層、フロント、プラットフォーム、プロダクトとなっているが、塩塚氏はLUMADAも含めプラットフォーム、青木氏はプロダクトのトップでもあり横グシ的、それ以外は、BUのヘッドであり、4事業領域を担当するフロントという位置づけ。
すでに、4月27日の中計説明で明らかになっており、すっきりはしたが、実際のビジネスは、そう簡単に3階層に切れるというものでもないだろう。
東原社長は、去る4月27日の決算・中計発表会を振り返り、好調な業績と投資家からの反響で手応えを感じた自信か、プレゼンの雰囲気もダイナミックになった。
2017年度業績は売上9.37兆円、OP7146億円、EBIT6442億円、NP3629億円と上ブレした。2018年度見通しは、売上9.4兆円、OPとEBITは共に7500億円、NP4000億円だが、目標は、売上10兆円、OPとEBIT8000億円。2021年度は、OPM10%を目指す。
ユースケース500件となったLUMADAが業績改善にも貢献、OTとITのクロステックを強化する。
システム&サービス
塩塚氏が管掌のシステム&サービスは、社会BU、金融BUと、サービス&プラットフォームBUであり、いわば旧マル情であり、ややBU入れ替えがあったようだ。
この部門の売上は2015〜2018年度2兆円で横這いだが、3年で2500億円の事業をやめ、OPMは改善が続き10%目前だ。工場では、小田原、豊川、戸塚等を閉鎖、UMCエレなどEMSを活用。他方、oXya社、Pentaho社をM&A、ソリューション中心にポートフォリオ変革。
インダストリアルプロダクツ
同BUは、圧縮機・ポンプなど機械系、モータなどドライブ系、変圧器など受変電系をベースに、LUMADAも活用し、つなげて、社会インフラなど向けに提供するというビジネスモデルであり、まさにIT×OT×プロダクトという日立ならではの強みを生かせる部門だ。
産業流通
LUMADA効果が期待できそうだが不振。2016年度は中東案件の引当など赤字だったが、2017年度も売上6000→6200億円、EBIT3.8→0.5%。
ビルシステム
業績は2017年度売上6030億円、EBITは8.2%と増収減益、2018年度も売上6500→5800億円、EBITは11→8.9%と減収減益。中国市場減速、単価ダウン、建材価格アップが逆風。2021年度は、売上6400億円、M&Aで更に上を目指す。OPM10%へ復帰。
電力エネルギー
電力・エネルギー事業は、2017年度の売上4900→4650億円、OP170→250億円、EBIT290→399億円、売上内訳は、再生可能エネ16%、グリッドソリューション13%、サービス23%、他6%、原子力BU42%だ。2018年度4560億円、OPM6.3%、2021年度は売上8000億円超、OPM10%を目指す。
原発はUKホライゾンがどうなるか
原発は、英国政府とファイナンス支援も含めた交渉継続、正式交渉。日立の民間会社としての経済合理性を原則の中、オフバランスと適切なリターンなどは理解を得られているとした。