去る5月22日に、ソニーの中計発表とIRデーが開催、所用で参加出来なかったが、一部、リアルタイムで視聴、残りもHPで後日視聴したので、まず、吉田新社長の中計について、報告する。吉田氏のプレゼンの後、新CFOの十時氏、新CTOの勝本氏、CSRの今田氏も登壇して、質疑。
数値的な意味では、目新しさはなかったという評判が多いようだが、改めて、21世紀になって最高益を更新したソニーのミッション、ビジネスモデルを理解する上では参考になり、成果を測定するKPIも明示され、ソニーの価値感共有という意味では、過去の数字だけに重きをおく中計と比べ、有益だった。
経営は長期と危機感
ソニー11代目社長となった吉田氏のプレゼンは意義深く、93年に自身が故盛田氏からのメッセージ「米からもう一度学ぶべきだ」の意味が「インターネットのインパクトを考えろ」という解釈であり、アマゾンやネットフリックスが94年に創業、ソニー自身は97年に最高益を達成したが、その後は、長く低迷したのは、まさにインターネットの影響であった。その意味では、経営とは、危機感と長期志向だと認識しているという。
クリエーターとユーザーの間を感動で繋ぎ、コミュニティを豊かに広がる
改めて、ソニーのポートフォリオは多岐に広がっているが、その共通点は、「クリエーターとユーザーを感動で繋ぐこと」であり、ビジネスモデルとは、そのコミュニティを豊かに広げることだという。
エレキ、エンタメ、金融の戦略
エレキのハードでは、映像と音を極める製品を出すが、規模を追わず、キャッシュカウという位置づけだ。
先行投資と社会還元
先行投資は、コンテンツIP、半導体、ロボや医療だ。3年間で2兆円を投じるが、CMOSイメージセンサー等デバイスが1兆円、5000億円がコンテンツIPや補完的技術、残りは財務改善や投資家還元。
KPIは累積営業CF
KPIは、3年間の累積営業CFが2兆円以上、ROE10%以上。
若様の見方
全体的に大いに納得する中計であったが、ソニーの付加価値や投資の先は、コンテンツとデバイスだ。