クルマの中期の大きなトレンドは、EV化とコネクテッド化である。また、シェアリングエコノミーの影響もあり、更に、景気サイクルの波を超えて、メーカーは巨大化すると、リカーリング型(チャリン、チャリンと収入)を志向する。この中で、クルマメーカーはどうなるのか。
経営重心分析でも、クルマは、買換えサイクルは6-7年であり(車検の影響)、ボリュームは1億台弱であり、ジャパンストライクゾーンの周辺だが内部にあった。しかし、EV化すれば、部品点数も減り、すり合わせ要素もへり、かつてのコンピュータのダウンサイジングと同様、サイクルは短くなり、低価格かも相まって、ボリュームは増える。更に、コネクテッド化は、PCにおけるインターネットの影響やクラウド化に似ており、新技術がどんどん導入される。いずれにせよ、クルマは、ジャパンストライクゾーンを外れてくる。また、シェアリングエコノミーが普及すると、ユーザー側は買換えどころか、保有もしない傾向が増えよう。クルマメーカーも、景気変動をさけ、リカーリング型を志向する。
キャリア化するクルマメーカー
結論を先にいえば、クルマメーカーは、キャリア化するだろう。これは、必然的にリカーリング型になる。また、企業が巨大化すれば、キャリア化は必然である。これは、NTTドコモなど、通信キャリアをイメージすれば分かり易い。徐々に、ユーザーは、通信端末同様、クルマ(モビリティ端末)を、キャリアの影響で、買換えさせ、あるいはレンタルするようになる。コネクテッド化や自動運転になれば、データや損害保険もより重要になる。
トヨタモビリティキャリア!?
トヨタは、まさに、そうした技術力も、資金力も備えている。トヨタ自身のクルマも提供するが、連携先の国内クルマメーカーや、中国のEVメーカーのOEMもありえよう。
経営重心分析
そういう場合にも、シェア獲得に大事なのは、ハードの魅力である。将来は、多少の差はあるが、ソニーなども、エンタメ・キャリア化、さらに、通信キャリア、電力キャリア(電力会社)と、モビリティ・キャリアは相互に参入することになろう。
財務面の変化に注意
財務面で注意すべきは、シェアリングエコノミーが中心になり、キャリア化した場合は、レンタルやリース会社を使うかどうか次第だが、在庫が減り、設備投資による固定資産となる可能性もある。
経営重心3.0
経営重心3.0では、サイクルを時間の流動性、ボリュームは数量の流動性と普遍化し、金融の場合は、売買高や出来高などをとる。
経営重心とサービスの付加価値、売り切りによるハードの付加価値
経営重心で、ボリュームが増え、右上の方向に行くと、メーカーとしては、売り切りであり、単価も安いから、よりハードの付加価値が増える。