去る5月15日の決算説明会に参加できなかったので、6月中旬にIRにフォローしたので報告したい。
業績は3期連続で最高を更新
2017年度は売上661億円、粗利213億円、OP125億円、NP78億円、受注1093億円、受注残1157億円、売上だけは中計の700億円ではなかったが、それ以外はOP90億円に対し125億円など、大きく上ブレ、過去最高益を更新中。シェア80%の検査装置も堅調だが、大きく伸びたのは、光配向、カラーフィルター露光、局所レーザーアニール等の製造装置。中国向けが大きく伸長。4Q受注は、370億円と、それまでの240億円前後から大きく伸びたが、中国大型パネル等で前倒しがあった。
2018年度は売上820億円、粗利272億円、OP165億円、NP100億円。SGA107億円と27億円増加だが、FHMと縦型蒸着のVET社のDep、子会社化したルミオテック社の人件費等。B/Sでは、これらの関係で、有形固定資産が15億円から50億円程度へ増えよう。
ディスプレイ需要は、面積ベースで年率5%増、装置市場は、2016年14B$、2017年20B$から、2018年は落ち込み、中小型が延期、大型は横這い。G10.5に加え、TV向けG8.5も出てきた。
フォトマスク装置へ参入
注目される新事業では、FPD用フォトマスク描画装置であり、Vテクは、開発から製品化の過程で技術の底上げを目指している。
PLAS(局所レーザーアニールシリコン)装置
8K-大型TV向けパネル用バックプレーン向けに、安価でa-Si-TFTから、電子移動度の高いボトムゲート構造にアップグレードできるPLAS装置だが、2016年に1号試作機を販売した。2017年に2号機を販売、ユーザーと評価を進め、今期は量産機の受注を目指すようだ。
VET社スタート
10月13日に公開されたFHMのマスク、縦型蒸着関連のVET社も12月より、スタート。米沢工場で、2018年夏から秋に設備導入、2019年4月より生産を目指す。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1520007
ルミオテック買収
世界初の照明用OLED専業メーカーとして2008年に誕生、三菱重工が99%株主だったが、これを引き継ぎ、OLED関連事業とのシナジー効果を期待。
半導体ウェハ用研磨装置へ
当社は、FPD分野以外の新しい事業の柱を構築するべく、浙江省海寧市の出資するファンドと共同で、Zhejiang Chip Sunshine Equipment Technology Co. Ltd.を設立した。
中長期的なビジョンとしての新規事業など布石
Vテクは、そのコア事業はFPD分野、中でも大型FPD製造検査関連が大半を占めている。ゆえに、FPDメーカー各社の設備投資動向に業績が左右されやすい。現状は、旺盛な受注や、豊富な受注残があるものの、中長期での収益の安定化が課題であり、その布石だ。