ソニーIRデーに関して、HPで視聴したエレキ分野について、コメントしておきたい。なお、中計に関しては、下記にコメントしている。https://www.circle-cross.com/2018/06/18/ソニー中計-5月22日発表説明会/
当日は、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野(小寺氏)、⾳楽分野(SME Rob氏他とSMEJ 水野氏他)、映画分野(Tony氏)、石塚氏による、イメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野、モバイル・コミュニケーション(MC)分野、高木氏によるオペレーション・販売プラットフォーム、ホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野、 清水氏による半導体分野の順にプレゼン、質疑があった。
この中で、IP&S、MC、HE&S、半導体についてコメントする。この中では、高木氏の時間がやや短く、また、全体的に、開示情報は減った印象。エレキ部門では、いずれも横グシを強調した。また、2017年度から2018年度の業績は横這いが多く、2020年度の中期目標も、それほどアグレッシブではない。
IP&S事業
IP&Sについては、2018年度は売上6600億円、OP750億円、2020年度は売上7000億円、OP850〜1050億円、ブランド品はOpm10%以上、ノンブランドは15〜20%という。
MCは厳しい
MCは、2017年度売上7237億円(1350万台)、OP赤字276億円だが減損を除くと、黒字化し、OP37億円。2018年度は売上6400億円(1000万台)、OP赤字150億円。
2020年度は売上6700億円、OP200〜300億円とするが容易ではないだろう。リカーリング事業の貢献次第だが、IoTサービスなどは期待できるが具体性はない。
HE&S事業
事業の話に先立ち、高木氏が取り組んできた、エレキ全体のオペレーション、バリューチェーンの一気通貫に説明があり、この3年で50〜150億円の効果があったようだ。地域性や部品の調達にも配慮。
2017年度は売上1.2兆円、OP858億円、ROIC30%以上は立派。2020年度は、売上1.2兆円、OP750〜1050億円は十分に達成可能だろう。絵と音の同期で、より臨場感、没入感を出すのも大きい。TVだけでは、差別化は容易ではないが、音と融合することで、差別化ができよう。そこは、ソニーの強みがいきる。海外では、ラテンは立て直しのようだ。
半導体事業
2017年度は売上8500億円、OP1640億円だが、モジュール売却、震災関連のプラス等の一時的要因を除けば、実態は、OP1204億円、Opm14%達成。2018年度は、売上8700億円、OP1000億円と減益だが、在庫水準適正化の稼働率調整(現在90%、今後フル)や、Dep増、車載やセンシングも含めたR&D増であり、ポジティブにとらえたい。R&Dは15%を適正水準とし、Dep12%であり、当然だろう。
2020年度は、売上1.1兆円、OP1600〜2000億円と、大幅増益だが、殆どが、CMOSセンサーである。
また、今後は、半導体のカーブアウトも、一層、議論が必要になるだろう。これまでは、アプリが、スマホやAVが多く、社内シナジーが大きかったので、垂直統合がプラスだったが、今後は、車載、FA、セキュリティに加え、モバイルでも、5G導入で、よりオープンイノベーションが重要であり、社内に置くデメリットが大きくなるかもしれない。
2017年度の有報
IRデーとは別だが、新しい有報が開示された。