富士通1Q決算〜再編仕上げ近いか

 

富士通1Q決算説明会(26)には参加できなかったが、HPで視聴、また、30日のスモールミーティングで質問確認した。決算自体も、退職年金給付制度変更影響919億円に加え、PC事業譲渡益などイレギュラー要素が多いが、今回は、それよりも、決算説明会質疑で塚野CFOがグループ会社再編について、踏み込んだ回答をしたことが注目される。

 

イレギュラーな1Q決算ととりあえず不変の通期

 

 1Q業績は売上8676億円、OP795億円、NP727億円。減収のうち、480億円減がユビキタス事業再編、OP794億円増は、年金関係919億円、事業譲渡125億円減、など。特殊要因を除くと、ネットワークとLSIが不振で、売上70億円減、OP48億円減であり、1QOPはゼロ前後といえる。

 

 コア事業では、ソリューションSIは、国内の製造流通業向け堅調、インフラサービスは国内横這い、海外は低調、ネットワークは内外厳しく赤字拡大。

 

 通期は、不変で、売上3.1兆円、OP1400億円だが、これは、今回の年金関係やPC事業譲渡、さらに、三重工場売却は織り込んでおらず(損益はneg、キャッシュフローは500億円近いプラスの模様)、また、同日、発表された富士通コンポーネントも含め、グループ会社の再編や、これからリストラもありそうで、いずれ、修正されよう。

 

グループ会社再編

 

 グループ会社では、富士通ゼネラル、新光電気、FDKなどの名前があがり、塚野CFOの回答では、コアではないが、売却については、タイミングを慎重に見極めているようだ。

 

デバイスはどうなる

 

さらに、今回の決定で、富士通の半導体は、三重12φはUMCへ、会津の8φはオンセミゆえ、残るのは会津6φだけだ。ソシオネクストも、もともとは上場もあり、連結はされない。

 

赤字の高R&Dのネットワーク位置づけ

 

 ハード系では、ネットワーク事業も赤字続きが課題だが、かつては世界シェアも高かった光伝送のフォトニクスが厳しい。国内中心のモバイル基地局系も5G時代を迎えるが、むしろ厳しい。

 

全社消去が1000億円規模もある

 

 セグメント別OPの中で、引き続き、全社消去が1000億円もあるのは開示上も問題だろう

 

データセンター投資

 

 また、Capex1000億円、Dep1000億円という状況が続くが、デバイス350億円のうち、LSI100億円は無くなり、新光などを外せば、残りも消え、残るはテクノロジーソリューション520億円だ。

 

その大半の300400億円はデータセンター投資、その半分は電力系、半分はサーバー等である。このうち、内部からは50億円程度で多くはないようだ。

 

ビジネスモデル変革の末に残るもの

 ここ数年続け、富士通のポートフォリオは大きく変わっており、どんどん、ソフトサービス化が進んでいる。