8月8日17-18時開催のジャパンディスプレイ(JDI)の1Q決算説明会に参加、質問もした。プレゼンは、業績説明が大島CFO、今期の重点取組みが新社長の月崎COO、質疑は適宜、両人が対応。投資家アナリスト説明会には、月崎氏は初登場で、冒頭、丁寧な挨拶があった。やや固い印象だが、真面目な技術屋の雰囲気であり、質疑も丁寧・正直な対応であり、好感は持てた。JDIのこれまでの大きな問題にはINCJやINCJ派遣のトップによる介入があり、今こそ、現場出身のトップに任せるべきだろう。
決算1Q赤字縮小は健闘だが在庫増
決算は1Q売上1033億円とQ/Q32%減ながら、OP赤字98億円と4Q赤字429億円から削減は健闘だろう。普通に考えれば、赤字200億円前後だろう、固定費削減110億円は想定だが在庫増61億円やSGA39億円が効いた。
在庫回転月数は、2Qへの作りだめだということで、4Qの33日から61日へ拡大、つれてFCFも赤字254億円(社内管理では前受金を長期負債と認識するため赤字181億円)だった。なお、OP外で為替差益23億円、JOLEDの持分変動益119億円がある。
2Qにかけては、北米や中国等向けに、フルアクティブが寄与、Q/Qで売上40〜50%増、赤字は大幅縮小との見方。売上1500億円、OP赤字大幅減というが、Q/Qで限界利益増100億円、固定費削減はQ/Qでは少なく、在庫平常化が50億円前後だとすると、赤字は数十億円となる。フルアクティブのユーザーMIXと、2Qに回転月数では減らすが絶対数では増える在庫の適正水準がどうなるかで変わるだろう。
2018年度は、下期がハードル高い
2018年度については、売上10〜20%増、Opm2-3%と不変。単純計算すると、売上7890〜8610億円、OP160〜260億円となる。フルアクティブ液晶がスマホ向けに寄与、車載向けも1000億円超えが前提。
好調なフルアクティブ液晶
JDIが開発したフルアクティブ液晶は、スマホだけでなく、車載も含め、複数の会社から高く評価され、引き合いは強く、2工場とも、フル稼働。
縦型蒸着
茂原で開発中の縦型蒸着は、試作量産にはメドがつき、本格量産に向けた準備段階のようだ。
JOLEDとの関係
出資比率が下がる一方で、これからのアプリケーションが、中型パネル分野と競合しそうだが、棲み分けとシナジーをどう考えるべきかについては、同じカテゴリー(ppiとサイズ)でも、ユーザーも使い分けがあり、両方持っていることが重要だそうだ。また、現状、JOLED向けにバックプレーンは、JDIが供給、RGBの発光層は、大気中で印刷方式だが、それ以外は、真空中であり、JDIとの一貫ラインだそうだ。