決算説明会後のアナリスト向けスモールに参加、また、LNG撤退報道もあったのでコメントしたい。
半導体1Q決算
メモリがカーブアウトされた現在、東芝に残されているのは、ディスクリートとシステムLSI、および、NFTの分である。セグメントでは、HDDもある。
1Q業績は、売上820億円、OP50億円、ディスクリートは好調だが、Dep増やウェハー値上げもあり、y/y減益、システムLSIも、通信(ブルーツース)が不振、アミューズメントも苦戦。車載は赤字が続く。NFTは、同社の1Q開示(日本基準)は、売上31億円、OP赤字20億円だが、東芝では米国基準であり、計上タイミングが異なる。
ジャパンセミコンダクターは、2016年設立、業績は2017年度売上1200億円強、利益38億円(帝国データ)、従業員2100名。顧客は、まだ大半が東芝。http://www.jsemicon.co.jp/company/top_message.htm
メモリ影響
メモリは6月より40%強を持ち分法で、この6月分のみ122億円を反映、OP外収支や税率(不明)などを無視するとOP305億円、非継続で反映されていない4-5月の869億円(Opm48%)、平均435億円より少ないが、4-5月はDepなし等を考慮すると、妥当なところか。
ただし、売上では、4-5月が1894億円(平均900億円強)、2017年度1Qの2670億円(平均900億円弱)と比べれば、当然だが、2017年度4Qが3333億円(平均1100億円強)、OP1564億円(平均520億円強、Opm47%)に対し、20%減収は違和感がある。TMCへのシフトで、在庫や売掛、あるいはロイヤリティ収入などで会計処理イレギュラーがあったかもしれず、NAND市況を議論できる以前だろう。
LNG事業(フリーポート)売却
マスコミ向け質疑で、フリーポートに関する質問が多かったが、日経等が11日付け朝刊で、LNG売却と報じた。10社と交渉中だという。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34077430R10C18A8MM8000/
会社側は、ノンコアと認識、B/Sが余裕あるうちに、多少思い切った改革をする意志のようだ。かつて、契約債務では、MAX1兆円だが、これは、当時の年間ロスが平均500億円との前提であった。その後、改善し、年間ロス100億円との報道もあり、これが、今回の記事の2000億円ロスの根拠だろう。ただ、実際は、黒字ではないが、かつて示唆された70ドル/バレルに近づいており、交渉次第だろう。なお、もしコストを計上する場合は、減損や在庫損ではなく、あくまで契約違約金のようなものだ。まだ、少なくとも20年分の生産はしておらず、これがWHなどの件とは異なる。
なお、報道では、残されたリスクを列挙しているが、これはナンセンスだろう。会社が事業をする上ででは、必ずリスクはあり、もし論じるならば、相対比較でなされるべきだろう。その意味では、もうリスクは小さく、むしろ、成長やイノベーションのため、どういうリスクをとるべきかだ。