デンソーやアイシン精機などトヨタ自動車のグループ4社(デンソー、アイシン、ジェイテクト、アドヴィックス)は27日、自動運転の普及に向けた統合ECUソフト開発を担う新会社を2019年3月に設立を発表。出資比率はデンソー65%、アイシン25%、ジェイテクトとアドヴィックス5%ずつ。併せて、デンソーとアイシンは、電動化の駆動モジュールの開発販売の新会社も設立へ。出資比率は両社で50%ずつ。https://www.denso.com/jp/ja/news/news-releases/2018/20180827-01/
背景は、自動運転と電動化が猛烈なスピードと異業種も含めた競争激化という100年に一度の環境変化の中で、勝ち負けではなく、生きるか死ぬかをかけて、4社の総力結集を結集、運転・電動化の普及で、未来のモビリティ社会の創造に貢献するという。
これまでは、ECUは、センサー、ステアリング、ブレーキなど、応用別に分かれており、自動運転化の中で、ECUの数が増えるだけでなく、コンデンサや各種半導体が増え、ソフトも膨大になり、その整合性が問題であった。これが統合化されることで、数を抑え、ソフト開発の効率アップやコストダウンにもなる。さらに、統合ECUやソフトで、デファクトスタンダードを取り、外販すれば、まさに、プラットフォーマーになれるが、ボッシュやコンチネンタルとの戦いが待っている。
次の再編は
自動運転は、5Gの低レイテンシの有力な応用分野であり、クルマ内のセンサーや制御だけでなく、V2VやV2Xや、5Gインフラなど、外部ネットワークとの通信も不可欠である。今後は、5Gの周波数やプロトコルなど標準化が進む中で、ITやネットワーク系とのグループ分けが進展しよう。また、電動化では、EVメーカーとのグルーピングやデファクトスタンダード争いも起こってこよう。その意味では、まさに、自動運転(ADAS)とEVは、ケーレツを破壊、新たな秩序が生まれるのだろう。
トヨタがウーバーと提携
さらに、29日、トヨタは、ウーバーへ5億ドルを出資、ミニバン「シエナ」をベースにライドシェア専用の自動運転車を開発、2021年にウーバーのサービス上で運行を始めることを発表した。ウーバーの自動運転キットと、トヨタの安全運転支援システム「ガーディアン」を連携、二重チェックする仕組みを想定するようだ。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34688860Y8A820C1TJ2000/
鍵はキャリア化
今後のクルマ産業のキーワードは、自動運転、EV、シェアリングと言われているが、トヨタグループでは、この数日の提携発表で、これらの動きに、布石を打ったことになる。
この動きの中で、クルマ産業は、モビリティ・キャリアへと大きく変化し、トヨタが目指すであろう垂直統合か、アマゾンやグーグルが志向するであろう水平分業か、不明だが、その付加価値は、自動運転の安全性や快適性、事故対応や、シェアリング対応、自動運転の提供エリアの広さや、バッテリーの確保(LIBステーション、無線給電ステーション等)、そうしたインフラをどう提供できるかだ。