来週9月15日は、リーマンショック10周年だが、この10周年で何が変わったのかを振り返ってみたい。過去、金融ショックは、1997-98年のアジア危機、1987年のブラックマンデーと、ほぼ10年毎だが、それを機に経済や経営情勢は大きく変わる場合が大きい。ここでは、日本中心に、リーマンショック前後でどう変化したか、再考、再確認したい。
第一に、成長戦略やイノベーションのあり方だ。欧米では、既にあったが、リーマンショック前、ITバブル前後からのトレンドが、より明確になった。オーガニック・グロース、リニアモデル、技術中心から、M&A中心、ベンチャー投資、オープンイノベーション、ビジネスモデル重視へと大きく変化した。
第二に、財務や会計が、日本でも、P/L中心、単独、簿価中心から、B/SやCF中心、連結、時価(IFRS)中心に変わった。これは、上記のように、M&Aなどが重要になる中では、当然であろう。
第三は、経営のあり方であり、生え抜き、事業経験者中心から、日本でも。外部経営者、資本家トップへ、そして、ガバナンスは、監督と執行の分離である。オープンイノベーションやM&Aが増えれば、ポートフォリオ経営となり、一つの事業だけの深堀の経営者では難しい。
以上のうち、第2、第3は、投資家や規制当局などの要請や希望もあり、既に、多くの企業が、認識や自覚をしているだろうが、第1の、イノベーションの変化は、まだ、多くの会社は十分に認識しているとはいえないだろう。
いわば、この第1の変化に、企業がきちんと対処できているのか、を正しく判断するために、第2、第3の変化があると見るべきだろう。