来週9月15日のリーマンショック10周年を前に、シリコンサイクルについて議論したい。すでに、ここ数か月、液晶や有機ELはもちろん、DRAMやNANDなど半導体メモリも価格下落。一部、メモリでは、サムスンやマイクロンでは、設備投資延期の話は出ている。
このため、アナリストの間でも、「スーパーサイクル」を巡って議論が分かれている。実際、過去も、金融ショック等の後に、サイクルの本質が変化する場合が多い。今回はどうであろうか?
87年のブラックマンデーの後、コンピューターはメインフレームからPCへと変化、通信も有線から無線あるいは移動体通信、また、アナログからデジタルへと変わった。そして、97年のアジア危機とITバブル崩壊の後、PC市場や従来のケータイ市場は成熟した。2007〜2008年のサブプライムショックとリーマンショックの後は、PCやガラケーから、スマホに変わり、シリコンサイクルも、3-4年のPCサイクルから、1-2年のスマホサイクル、あるいは、シーソーサイクルとなった。
そして、今回は、スマホに加え、産機やクルマ、データセンターといった産業用市場がメモリでも大きくなったことが大きく、サイクルが6-8年と長いのが特徴だ。これがスマホの短いサイクルと相まって、「スーパーサイクル」を形成しているのだろう。今の調整が大きくなるとは思えないが、注意すべきは2019-2020年であり、そこでは、日本も含め、長く続いた金融緩和の終わりの中で、産業用サイクルが飽和する可能性には十分に注意したい。