9月20日13時より開催された川崎の㈱富士通研究所の説明・見学会に参加した。マスコミも合同で、多数参加。13時過ぎから、佐々木社長がR&D戦略についてプレゼン質疑、その後、佐川常務が2件の新規テーマ発表、その後、プレゼン会場を出て、14時過ぎから16時まで展示見学という例年のパターンであり、15時過ぎまで展示ブースで質疑。川崎工場80周年、研究所創立50周年ということもあり、歴史的背景が説明され、その中で「信頼と創造」は同じだが、これまでの「Reliability and Creativity」から、「Trust and Co-creation」へと変わったが、これが、データ社会とオープンイノベーションの状況を端的に表しているだろう。
佐々木社長プレゼン
佐々木社長のプレゼンは、昨年度までとやや変わって、富士通グループの中計目標への貢献もあるが、より歴史的な背景の中で、「Reliability and Creativity」から、「Trust and Co-creation」への変化、その時代背景などが強調されたように感じた。データ経済の中での、Trustの重要性は、その通りだし、共創事例も、顧客とはSIEMENS、サンカルロス病院、商船三井、オープンイノベーションでは、京大、トロント大、三菱地所・ソフトバンク・東大との事例が紹介された。
他方で、R&D戦略や業績的な話題は少なかった。
佐川常務「信頼されるデータ社会を目指して」
新発表として、分散したデータ社会のTrustを実現する「チェーンドリネージュ(Chained Lineage)」と、「分散ストレージ上で大量データを高速処理する基盤技術」が紹介された。展示ブースでも、デモがあった。
DATAは21世紀のオイルであり、その活用が鍵だが、「チェーンドリネージュ」では、データの品質や個人データ利用の同意が必要であり、そのデータの来歴を、ブロックチェーン技術を利用、Hash値を見ることで、明らかにする。個人データ同意が、どの位集まっているかの途中経過なども分かる。
データZB時代のデータ量そのもののTrustは?
プレゼン後の質疑はなく、中身について、展示ブースで確認できるが、プレゼン資料の「2025年のデータ量が163ZB」という、有名なIDCのデータのTrustはどうなのだろうか。IDCでは、「国際的なデジタルデータの量は倍々で飛躍的に増大、2011年の約1.8ゼタバイトから2020年に約40ZBに達する」というが、163ZB=163・億TBゆえ、人口70億人として、一人当たり、2TBとなり、少なすぎ、違和感があろう。
展示は16テーマ
展示は、昨年14テーマから再び16テーマとなった。当日、新発表の2件はデータマネジメント、1件はコンピューティング(デジタルアニーラ)、AI応用3件、5Gが2件、センスコンピューティング1件、SEクラウド2件、セキュリティ2件、材料デバイス2件、デジタル共創が2件だった。