11月12日17-18時開催のジャパンディスプレイ(JDI)の2Q決算説明会に参加した。プレゼンは、業績説明が大島CFO、今期の重点取組みが月崎社長COO、質疑は適宜、両人が対応。IR資料は製品内訳詳細等が改善。
3ヶ月遅れで、発表予定だった中計は開示無く延期へ。株価が危険水域の100円に達し、中計を見極めようという参加者も多かったようだが、やや盛り上がりに欠けた。週末終値で100円を割り込み85円は、上場後1/10となった。信用買い残も多く需給は悪い。
決算2Q赤字縮小は健闘だが在庫増
決算は2Q売上1110億円、OP赤字47億円、最終赤字78億円、売上大幅に下ブレだが、赤字は縮小。iPhone「XR」出荷が、会社側は1Q決算で問題なしと回答だったが、やはり指摘した通り、ノッチ加工やLED部品問題、関西地方の風水害もあり、10月にずれ込んだ。もとの計画では、2Qにかけては、北米や中国等向けに、フルアクティブが寄与、Q/Qで売上40〜50%増、赤字は大幅縮小との見方だったため、売上1500億円、赤字は数十億円。
売上下ブレで、赤字ながら、OP健闘は、10月以降の投入で在庫の急増(6月末61日から9月末68日)で稼働アップ、もともと、遅れた分は、購入部品も多く付加価値が少ないため。ただ、9月は単独黒字へ。
なお、10月に入り、フルアクティブ品が、ようやく出荷、10月の単月売上は1000億円を超え、OP黒字化。11月以降は、「XR」下方修正もあり、不透明。JDI側の歩留まり等は問題なし。部材のサプライチェーンも正常化らしい。
FCFは、赤字248億円は1Qと同水準(社内管理で赤字190億円はやや悪化)、買入債務が大幅増、現預金は622億円、自己資本比率は16%へ低下。
2018年度下方修正
2018年度は、売上10〜20%増→5〜10%増、Opm2-3%→Opm1-2%へ下方修正。中間値をとって、単純計算すると、売上8250→7893億円、OP206→118億円となる。下期は、売上5750億円、OP260億円、なお、かなりハードルは高いだろう。3Q売上と4Q売上構成は不明。
仮に、10-12月の売上1000億円水準が続けば、3Q売上3000億円、4Q2750億円となるが、4Qは、XRの情勢からは、厳しく、1500億円程度ではないか。OPは在庫など次第だが、むしろ、FCFも含め、B/S管理が鍵だろう。
12月末の在庫水準が不明だが、FCFは引き続き赤字が続く可能性がある。CAPEXは更に低下580→520億円だが、もう少し減りそう。DEP510→480億円へ。
やはりスマホ向けは大変だ
スマホに振られ、売上が月次で3倍に急増、また1/3になる状況は、メーカーの努力を超えている。ユーザーとの契約を見直すなど、FCFと粗利を最優先すべきだろう。会社側も、スマホ比率を下げる方向性で、VRや、ノートPC、ガラス指紋センサーを強化だが、ボリュームが違い過ぎる。
フルアクティブは素晴らしいが、XRの売れ行きは不透明であり、やはり中期では主流はOLEDだろう。また、買入部品が多すぎて、付加価値を取りづらく、FCF的にもマイナスだ。
OLED縦型蒸着
茂原で開発中の縦型蒸着は、特にコメントなし。