明けましておめでとうございます。いよいよ、ポスト平成です。2018年は世界も日本も株式市場は転換点でした。年末年始の新聞等でも報じられたが、改めて、平成時代の世界と日本のGDPと時価総額の推移を比較しながら考察したい。なお、平成時代としては、1990年から2018年までをとっている。
世界の時価総額推移とGDP推移
世界の時価総額は、各市場を為替も考慮して推計して合計しなければならず、すぐにはわからず難しい。これは、世界取引所連盟(WFE)の統計数字(https://www.world-exchanges.org/home/index.php)を使う場合が多かったが、現在このURLは無くなっている。それゆえ、諸資料から推計している。
世界のGDPはIMFのデータから算出できる。世界の時価総額を名目GDPで割ったものが、ウォーレン・バフェット指数である。
世界のGDPは長期で見れば右肩上がりであり、1990年には20兆ドル台だったが、2017年には、80兆円を突破した。世界時価総額もITバブル崩壊やリーマンショック等の影響で変動はするが、傾向は右肩上がりだ。バフェット指数も、0.8±0.3で推移しながらも、底上げしているようだ。
では、日本はどうだろうか。名目GDPは、1990年の400兆円台からほぼ横這い圏であり、何とか500兆円を突破はしたが、600兆円には及ばない。他方、時価総額は、400兆円前後から、700兆円近くまで上がってきた(時価総額は11月時点のものをとっている)。バフェット指数は、世界においてと同様、ほぼ0.8±0.3で推移している。株価は、世界のバリエーションを反映しているようだ。
なお、日経平均では、バブル崩壊後27年ぶり高値2万4千円を超えたとはいえ、1989年12月29日の大納会ザラ場で38957円に及ばないが、これは実態を表していない。時価総額では、既に、89年のレベルは超えているのである。
時価総額ランキング比較
平成の振り返りで、よく比較されるのが、平成元年と現在の世界時価総額ランキング比較である。平成元年のランキングは、ニュースウィーク誌の7月17日号のデータであり、バブル真っ盛りであり、米は1987年10月のブラックマンデーの影響が残っていた。
その上で、両者を比較すると、平成元年当時は、上位20社中、14社は日本であり、既に再編となったメガバンクが上位にある。NTTが民営化人気で突出しているが、日立、松下電器、東芝もランクインだ。
平成30年(11月時点)では、日本勢はなく、ベスト50位でも、トヨタの42位のみ。米でも、平成元年にいたIBMやGEはランキング圏外だ。なお、ロイヤルダッチシェルは、両方にランクインだ。
両者を比較するため、世界時価総額におけるシャアを算出した。ただし、1989年の数字がどうしても見つからず、1990年のもので代用した。日本は、バブル崩壊で異なるが、米などでは変わらないので、参考にはなるだろう。驚くのはNTTのシェアであり、日本がバブルであったこともあり、上位20社のシェアは当時の方が高い。