景気が厳しさを増している。米中関係も新冷戦の情勢は長期化、EUも、英国の情勢も含め混乱、世界は、自国中心、国際協調体制は崩壊の様相だ。12月予想に対し、その通り厳しくなっている印象だ。
https://www.circle-cross.com/2018/12/09/2019年とポスト平成時代を読む/
米は利上げを緩和する方向で、株価は少し落ち着いているが、不安な情勢だ。日本に対しても、中国同様に、不正輸出、知財、貿易不均衡、為替操作などで、いつ、文句を言われるか分からない。
ユーラシア・グループ(イアン・ブレーマ氏主宰)による2019年の10大リスク
昨年1月2日に、世界の10大地政学リスク2018(1番に中国問題、3番に世界的なテクノロジー冷戦)を発表したユーラシア・グループは、今年は、1月7日に、10大リスク2019を発表している。今回は、10とプラスαとなっており、順番に、①悪性の種―長期的な潜在リスク分子、②米中関係、③熾烈化するサイバー戦争、④欧州のポピュリズム、⑤米国の内憂、⑥イノベーション冬の時代、⑦非有志連合、⑧メキシコ、⑨ウクライナ、⑩ナイジェリア、それから、英国のEU離脱(ブレクジット)、リスクもどき(ブラジルやサウジなど)、もあげている。https://www.eurasiagroup.net/services/japan
昭和から平成の矛盾パンドラの箱
米のリーダシップが変容し、国際協調体制が崩れる中で、日本が独自に政治的リーダシップを取ろうとすると、出てくるのが、安保体制などの矛盾である。「知ってはいけない」にもあるが、日本が実態的に政治防衛で、米の傘下にある以上、他国との交渉では、そこをつかれると痛い。ロシアが北方領土返却に関し、米軍に基地が置かれるリスクを主張し、日本の主権に疑問を呈しているのは、その典型例だろう。
平成が終わり、時間経過と主に、今後、米との密約も明らかになる中で、安保と原子力問題は、大きな問題であり、外交その他で、足枷になるかもしれない。
https://www.circle-cross.com/2019/01/02/平成は-家畜化に慣らされ-次の時代は-食われるのか/
https://www.circle-cross.com/2019/01/06/cia秘録-とインテリジェンス/
市況はまだ下落続く
ハイテク業界では、NAND、DRAM、OLED、LCDが総崩れ、まだ下落基調だ。米中摩擦の影響も大きく、頼みのクルマ、産機も怪しい。不況の始まりが早まった印象だ。
設備投資カットの上、米中摩擦は、装置業界にとっても、Wパンチであり、短期と中長期で効いてくる。これは、米の装置業界も同様だ。それゆえ、SEMIなど半導体業界団体が、リードして、米中ハイテク覇権争いの緩和を米政府に訴えるべきだろう。
期待は5G
その中で、期待の芽は、5Gだ。現在は、リリース15に基づいたスマホ系の高速伝送等だが、2020年には、リリース16で、多元接続や超低遅延の新しいアプリケーションが登場する。基地局インフラも多様化し、メモリやプロセッサ、電池なども増える。端末側でも、臭いや味など多様なセンサーがつけば、健康や安心安全センサーとして必須なものになる。