京セラ3Qの決算(2月1日)テレコン

 

2117時より開催された3Q決算テレコン録音再生を聴いた。プレゼン、質疑は谷本社長、青木CFOも参加だが、発言なし。なお、2Q後の1128日にIRデーを行い、ソーラー向け原材料の減損と、2020年度に向け、売上2兆円、税前利益率15%を発表している。

 

3Q決算で思い切ったリストラ

 

 業績3Qは、売上4138億円、OP赤字220億円、NP10億円。11月に発表のソーラー用ポリシリコン関連の特損525億円に加え、有機材料パッケージも特損162億円。IFRS会計ゆえ、OPにヒット。この690億円弱のリストラ費用を除けば470億円のOP黒字でy/y増益、q/qでも微増。

 

2018年度下方修正

 

 売上1.651.6兆円、OP990760億円、税前13501200億円へ下方修正だが、税金費用は減り、NP955900億円と小幅修正。

 

市況に関し、SPE部品はメモリが厳しく回復は2019年末以降、半導体関連部品は、スマホ関連が厳しく、底は3-4月かもしれないが、回復は弱そう。光デバイス向けも改善兆しなし。

 

2019年度から2020年度は

 

 今回、大規模なソーラー関係と有機材料のリストラは評価でき、2019年度は、両方、赤字は脱却する可能性が高いだろう。他方、半導体関連部品の回復は期待薄。改善したコミュニケーションも、全体を支えるほどではない。自動車産機も、SPEFA向けが厳しく、大幅増益は難しいだろう。

 

 会社側のコメントにはなかったが、期待は、5Gのインフラ関連であり、基地局に加え、IoT等で、KDDIとのシナジー効果、エネルギー自由化なども機会だろう。いずれにせよ、メーカーの売り切りから、脱してビジネスモデルを見直すことが重要だ。

 

経営手腕とM&A

 

 谷本社長の経営手腕は、説明会での対応、今回のリストラや、M&A積極化など、評価すべき点が多い。ただ、やや、M&Aが多く、M&Aありきになっている面があるのが気がかりだ。

なお、4日に、会社側は、欧州メーカー2社の買収を発表している。ドイツのセラミック部品大手のエイチ・シー・スタルク・セラミックスとオランダの機械工具大手ファン・アーデン・グループである。