スーパーサイクルと言われたシリコンサイクルも変調、金融情勢も不透明な中で、半導体業界は、再編の最終局面を迎えつつある。
日本の半導体の劣化は、DRAM撤退などもあるが、この20年で大きく成長したファブレス、ファウンドリが全く弱いことだ。その中で、ファブレスの代表が、ソシオネクスト(以下、ソシオ)である。
日本の総合電機は、日立、三菱電機、NECは、プロダクト毎に、メモリとシステムLSIに、半導体を分けて、カーブアウトしたが、形態は、垂直統合型のままだ。この中で、富士通は、珍しく、ファブレス、ファウンドリに分け、前者がパナソニックと合体したのは、ソシオだ。なお、後者は、地域別の会社であり、三重ファウンドリや、会津などがあったが、UMC、その他に売却された。その中で、ソシオネクストのあり方が注目される。
堅調だが成長もせず
ソシオは、業績は堅調だが、成長もしていない。未上場ゆえHP等では開示はされていないが、帝国データ等によれば、2015年度は売上1412億円、NP107億円、2016年度は売上1133億円、NP16億円、2017年度は売上1125億円、NP4億円だ。
2015年4月7日の記者会見では、「5年後(2020年度)に売上2000億円、営業利益率10~15%を継続的に確保し、IPOを目指す」とある。統合効果で5億円コスト削減、民生・クルマ向けが75%、産業が25%から、半々にする目標。https://www.circle-cross.com/2015/04/21/2015年4月21日-ソシオネクスト始動/
トップは富士通系の井上氏からパナソニック系の岡本氏へ
こうした中で、先日、発表されたのが、井上社長の退任である。まだ、発足して間もないので、任期なのか、上記の業績の問題か背景は不明だ。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO41193140S9A210C1TJ2000/
社員の比率や売上構成からは、富士通系が多く、また、井上氏が退任予定というのも変だ。そえゆえ、いろいろな背景が妄想できる。
3つのシナリオ妄想