TV用液晶パネル価格の下落が一段落したとの見方が出ている。日経報道では、2月の大口価格は、32型が採算割れの41ドル前後(オープンセル)で下げ止まったようだ。他方、65型は215ドル(同)で下落基調、55型も139ドルで同様。32型は減産やライン切り替えもあるようだが、65型は10.5G工場の増強もあり、値下がりが続く模様。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42731810Q9A320C1QM8000/
TV向けも、スマホ向けも価格比2倍へ近づく
有機Elパネル(WOLED型)の55型は590ドルで横這いのようだ。単純比較はできないが、バックライトを含めれば、液晶との差は2倍以下になってきており、熱の問題や、青色の寿命が問題なければ、一気に、シェアが動くレベルになってきた。あとは、供給次第だろう。
スマホ用では、既に、2019年に入って、液晶6型フルHDが15ドル割れ、シェアは中国天馬、JDI、BOEとなっている。OLED6型は24ドルと価格比は2倍以下であり、シェアはOLEDが拮抗してきた。2018年ではiPhoneではOLED比率30%超え、サムスンはほぼ100%など全体でも30%を超え、2019-2020年に供給問題が片づけば、50%を超えよう。
かつて、ブラウン管に対し、液晶が価格比2倍になり(PCでは90年代後半、TVでは2005年頃)、で一気に、シェアを奪ったが、まさに、今はOLEDは液晶に変わってそうなりつつある。
TVは8k、大型化、OLED化を10.5Gで
液晶TV台数は、2017年の2.1億台に対し、2018年は2.2億台、OLED-TVは2017年の160万台から、2018年は250万台と1%を超えた模様。2019-2020年には、OLEDは500万台を超えそう。台数では微増だが、大型化が進み、面積比では、大きく伸びる。
TV向けは、WOLEDを選択したLGDがシェア大半を占め、8.5Gではなく、10.5G投資が増える。今後は8Kの70型以上が鍵になろう。サムスンは、スマホ向けは蒸着で圧倒し成功したが、TV向けは混乱、OLEDではなく、他の方式をどうするかがポイントだ。
32型に関しては、下げ止まりは一時的で、今後はフェードアウトしていこう。需給の背景にあるのは、台湾CPTの破綻である。これまでも、DRAMや液晶の大幅な市況悪化を止めるトリガーは、一角のメーカーの破綻や再編だった。12月末に民事再生となったCPTに加え、台湾パネル大手は、非常に厳しく、AUO、イノラックス、ハンスターも大幅赤字となった。
CPTがついに経営破綻
CPT(中華映管)は12月13日夜、民事再生手続きの開始を裁判所に申し立てることを取締役会で決議したと発表。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38969180U8A211C1FFE000/