GE不正会計疑惑とB/S

 

名門GEに不正会計疑惑と、日経等が報じている。史上最大の詐欺だったマドフ事件を告発したマルコポロス氏が指摘したことで、株価が急落。175頁の報告書では不正額が380$になるようだ。会社側や多くのアナリストは否定的のようだ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48650970W9A810C1EA5000/

 

 真偽は不明だが、20196月決算では、会社側は、業績底打ちというが、B/Sは厳しい。自己資本比率は、11.5%358億㌦、ノレンは689億㌦、有利子負債が1058億㌦、D/Eレシオ3倍。ノレンの割引率やPBO評価次第ではどうにでもなり、リース会計等も重大だ

 

 昨年11月に、指摘したが、M&Aに甘い米国会計基準の中で、資本を過大に評価、そこから株主還元したのが真因だ。

 https://www.circle-cross.com/2018/11/20/geの問題-かつての優等生の落日/

 

 

GEは、かつては、東芝はじめ、多くの日本企業がお手本とし、経営学者や、ビジネススクールでも、優良企業のケースとして、絶賛された。2017年末ですら、ハーバードビジネスレビュー201712月号で特集された。http://www.dhbr.net/ud/backnumber/5a028f1d77656124a7000000

 

分析してみると、予想以上に厳しい。近因は、株主への過大な還元、真因はポートフォリオ、遠因は米国会計だろう。日経新聞でも、星氏や藤田氏の記事でコメントが引用。電機の著名アナリストで東京理科大大学院の若林秀樹教授は「GEは投資の回収期間が長い一方、環境変化の影響を受けやすいエネルギー関連に事業が偏っていた」https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37709730T11C18A1TJ1000/

 

「事業構成を長期型に組み替えるM&Aを進めたが、高いリスクに見合う自己資本を備えていなかった」と若林秀樹・東京理科大学教授は話す。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37922680Z11C18A1DTA000/