クロステックとオープンイノベーション、その中での日本の立ち位置、私の立ち位置

 

先日、ある知人に、「相変わらず、エレキ、ハードだねえ」と言われたが、もちろん、DXも勉強はしているが、DXや流行の経営理論などは、数年の研究や勉強では、到底、一流にはなれず、欧米のフォロワーというだけだ。自分が理解したころには、もう時代遅れとなっている。

 

いかに、先の先を読み、まだ手がついていない分野で、一流に近づけるかだろう。日本は、英語や国際性のハンディもあり、逆に、日本が差別化できる領域を深堀し、それをどう世界の先端につなげるか、という戦略的思考がないとダメだろう。その意味では、その先の妄想・ビジョナリー・アート、脳と抽象画の関係、老人問題、EXIT、宗教など模索しつつある。

 

あらためて、DX時代、バズワード満載の中で、日本と、自身の立ち位置を考えたい。自分自身は、過去30年以上、エレクトロニクスや半導体をフォロー(日本中心、ハードウェア中心ではあるが)し、分析、提言、おかげさまで、一流の経営学者の登竜門とされる日経新聞の経済教室にも、過去3回掲載された。自分が、他分野の一流の学者や行政、業界関係者などとお会いでき、関係を結び、維持できるのも、このおかげだろう。また、ハードウェアは基礎が科学技術、工学であり、自身の大学、大学院からの持続的な勉強が役に立つ。

 

もちろん、エレクトロニクスや半導体業界を分析・予測・提言するための理論や切り口も勉強、研究しており、その代表例が、経営重心分析だが、様々な経営理論やコンサルティングツールの実証性は、よく知っているエレクトロニクス業界に適用することで判断できる。どちらかが、中途半端であれば、難しいだろう。世界では、ニッチでも、何かで一流でないと相手にされない。

 

多くの若い学者やアナリスト、コンサルタントは、バズワードに影響、時流に遅れまいと、あれこれ、手を出す挙句、対象となる業界もなく、理論も中途半端になっているのではないか。MOTの教員採用で、面接をするが、皆、DXやデザイン、イノベーション、アントレプレナーとか、何の専門かわからない。

 

これは、日本も同様だ。金融やITでは、どうあがいても、米や中国などに勝てるとは思えない。また、クロステックという意味では、IT×ITでは、コストは下がるが、新しいバリューは生まれにくい。むしろ、ITや金融と、地味なモノづくり、センサー技術、素材、加工、また、一見、関係のないような、農業、漁業、日本が直面する高齢化社会、老人、介護などの方が、バリューが生まれ、ビジネスチャンスがある。これが、クロステックであり、異分野の結合のオープンイノベーションだろう。