平成時代のキーテクノロジーは、半導体(フラッシュメモリ)、液晶(TFT)、電池(二次電池)だと云われた。これは、PCやケータイ、TV、デジカメも含め、情報端末が小型化携帯化し、急速に普及することが期待されていたからであり、事実そうなった。ベースにあったのは、ムーアの法則に基づいた微細加工技術であり、この勢いに乗った技術が発展した。
令和時代のキーテクノロジー
令和時代は、5GやIoT、ADAS、EV、ドローン、空飛ぶクルマ等が期待される中で、センサー(多様な五感)、モータ、電池、冷却技術だろう。特に、ADAS、EVでは必須であり、また、冷却技術は、データセンター、基地局などインフラも含め、あらゆる領域で重要だろう。ここでも、民需を中心にR&Dリソースが集中した技術が発展するだろう。
EV向けモータの本命は?
EV主機(トラクションモータ)には、まだ不足な点もあるかもしれないが、これまでの誘導モータに代わって、白物家電向けに、SRモータ、PM(永久磁石)モータ、可変磁力モータが発展した。
SRモータは、高効率や高速回転対応など利点があり、歴史は古いものの、振動の問題が大きく実用化が進まなかったが、ダイソンの掃除機などに用いられている。コスト面で有利であり、見直されている。
PMモータも、ネオジム磁石の発展があり、その高効率、低損失・長寿命、小型軽量化で大きく注目されている。ただ、最大エネルギー積の限界は近い。
可変磁力モータは、今後、EVで、坂道発進や高速走行などには有用だろう。この他、超電導モータ等もあるが実用には遠そうだ。
冷却技術の2019年の進展
冷却技術では、ファン送風、水冷や冷媒によるもの、さらに、相変化冷却方式も注目されているようだ。また、全く系統が異なるがペルチェ素子などの方法もある。冷媒によるものでは、EV向けでは、油冷が期待されている。日本電産のE-Axleで採用されている他、クルマメーカーの特許出願も増えている。
固体(柔粘性結晶)冷媒
ペルチェ素子と新型固体冷却素子