波乱の令和の元旦

 

令和の元旦は、ゴーンがまさかの逃亡、台湾ヘリコプター墜落で軍トップ死亡、そして、米軍がイラン精鋭組織の司令官殺害である。さっそく、ハメネイ師は、報復を示唆、中東情勢が緊迫、13日夜の為替相場は昨年11月以来の円高107円台をつけた。米中摩擦が年末に一段落かと安心していた投資家は慌てるだろう。まさに、AIも予期せぬVUCAの令和、波乱の元旦だ。

 

 産業界では、年末に、日立の再編などがあったが、ジャパンディスプレイは、結局、SUWAからの出資はなく、いちごアセットが頼りだが、第三者委員会による調査が終わらないのに、どうだろうか。

 

 ハイテク市況は、DRAMNANDは底打ち、MLCCも回復基調だが、ロボットやFA関連は低迷、そして、懸念がオリパラ後の景気動向であり、金融政策である。

 

 そこで、1964年の東京オリンピック当時の株価や景況感が気になる。もちろん、当時と今では、為替、国際情勢、科学技術など全く異なる。その上で、振り返ると、19595月に東京開催が決定後、岩戸景気もあり、日経平均高値は19617月、その後、株価は下落、1965年夏まで下落。サンウェーブや日本特殊鋼(現大同特殊鋼)、1965年には山陽特殊製鋼が倒産、山一証券も危機に瀕した。

 

さらに、平成元年12月末の日経平均は3.9万円弱の高値だったが、平成2年に入ると、暴落、PKOや、その後、損失補填もあり、失われた時代が始まる。また、平成2年には湾岸戦争も勃発した。

 

今回、不気味なのは、改元の2年目、オリンピック開催、そして、中東情勢不安まで重なっていることだ。もし、これで政府の金融政策が変われば、景気は一たまりもなく、M&Aによる暖簾も増えており、減損が続出するだろう。

 

もちろん、5G期待や、シリコンサイクル底打ちはあるが、「歴史は繰り返さないが韻を踏む」の格言が思い出される。