波乱の令和元年は、メモリ市況も同様のようだ。回復の中、キオクシア火災や武漢SARS騒ぎの影響が難しい。昨年9月に「DRAMとNANDで背景は異なるがメモリは底打ちか」と指摘し、グラフをみても、夏場が大底であり、共にビット成長は回復、DRAMは価格底這い、NANDは価格も回復となっている。さらに、昨年12月にはWSTS秋季予想にコメント、2020年は一桁プラス予想だが、二桁の可能性もあると指摘した。
https://www.circle-cross.com/2019/09/11/メモリーは底打ちか-dramとnandで異なる背景/
https://www.circle-cross.com/2019/12/07/wsts見通し2019年はマイナス11-7-12-8-2020年は-5-4-5-9-へ/
このグラフにもあるように、ほぼメモリサイクルは、かつてのPCからくる3-4年サイクルから、スマホサイクルの2年程度となっており、データセンタの影響はメジャーではない。
2019年末までは米中摩擦でのファーウェイの買い増し在庫増と、その反動が懸念だったが、ファーウェイも含め、スマホ市場が予想以上であり、3Qは若干プラスとなったようだ。4QはTSMC供給問題や5G向け投入で微妙、米クリスマス商戦はまずまずとの声もあるが、今後の旧正月次第だろう。
DRAM、NAND共に、ビットは伸びているが、価格は、DRAMは、スポット価格はビットコインに連動して上昇しているが、大口は底這い、NANDは回復傾向だ。
なお、日経新聞1月7日の市況欄では、豊田通商子会社ネクスティエレクトロニクス社長の青木厚氏が「メモリは、サーバー復調で上昇期待だが、5Gは国内需要まだ限定的」と、無難コメントをしているが、アナリスト達はもう少し強気か。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54090870W0A100C2QM8000/
そうした中で、1月6日のキオクシア(旧東芝メモリ)Y6クリームルーム内の火災は大きな波乱材料だ。日経報道では、製造装置1台からの出火が8日判明、すぐ消化、人的被害はなく、キオクシア広報は「生産計画に対する影響はない見込み」というが、そもそも最低2週間はかかるとの見方もあり、旧正月前に価格の波乱要因だろう。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54167720Y0A100C2TJ1000/