ビジネススクールを考える連携シンポジウムをMOTで開催(1月28日)

 

 去る12819時~20時半、理科大MOTで、一橋大学教授で元ビジネススクール研究科長のアメ―ジャン教授、青山学院大学ビジネススクール名誉教授の北川哲雄氏、ニコン相談役でMOTの教育課程連携協議会委員の木村氏を招き、「ビジネススクールを考える」連携シンポジウムを開催した。

 

議論の最初に、2016年の東洋経済に掲載された、ローランドベルガーの遠藤会長による日本のビジネススクールに対する批判を紹介した。氏は、早稲田大学でビジネススクールの教授を務めたが、その経験を元に、日本のビジネススクールの問題は、①社会人が少なく、ストレートマスターや若い中国留学生が多い、②修了ペーパー(修士論文)等を課さない、にあると記している。これについては、理科大MOTは、100%社会人であり、かつ、修了ペーパーが必須であり2年次にかなりの時間をかけ、5-10万字、100ページ近いものを書かせている。

 

論点として、①なぜ、日本は、ビジネススクールの社会評価が高くないか、②ターゲットは何歳?ストレートマスターか、中堅社会人か?③あるべきカリキュラム、基礎とトレンディ、講義と演習のバランス、ケースや修了ペーパーの有無?を挙げていたが、①にフォーカスされた。

 

ローランドベルガーの遠藤氏の指摘以外に、日本企業の問題や、米では、MBAブームが終わり、トップ校ですら低落傾向にある、他方、中国では人気が増している、そもそも、日本は企業も教育もダメである、などの諸点が紹介された。ビジネススクールというネーミングもイノベーティブでなく、ブランドを再考すべきという指摘もあった。むしろ、ビジネススクールでは、「面白い人間」と交流することが重要であるという意見もあった。

今回で、4回目のシンポジウムだが、意見は多様で収束もしていないが、この話題は言い尽くされ、飽きられているという印象をもった、それ故、問題の根は深い。