GE、FCPA、ゴーン

 

 FCPA(Foreign Corrupt Practices Act) 、海外腐敗行為防止法とは、米国外の公務員に対する商業目的での贈賄行為を禁止するため、ロッキード事件等の賄賂事件がきっかけとなり、1977 年に米国で制定された法律である。この言葉は、あまり馴染がなかったが、最近では、20185月に、パナソニックの子会社、パナソニックアビオニクス(PAC)に対し制裁金が課されたことで話題になった。パナソニックは、米当局に約310億円の罰金などの支払いに合意、過去には、日揮や丸紅などが海外での賄賂を問題視され、巨額の罰金を支払った。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30029160R00C18A5TJ1000/

 

 セルサイド時代にもファンド時代にも、フォローしている企業では事件はなく、上記のパナソニックの件で認識した程度である。むしろ、EUの方が大変だと考えていた。しかし、最近、「The American Trap-アメリカが仕掛ける巧妙な経済戦争を暴く (ビジネス教育出版2020/2/20)を読んで、認識が変わった。

 

 同書の筆者は、フランス名門の重電メーカーであるアルストム幹部であり、赤裸々なノンフィクションである。氏は、いきなりJFK空港で、入国時に、FBIに逮捕され、収監、というのは、ゴーン氏のケースと酷似している。電機メーカーをフォローしている立場として、最近のアルストム、GE、シーメンス等の再編劇は何か違和感を持っていたが、この本を読んで腑に落ちた感がする。もちろん、同氏の立場は被告人であることはあり、差し引いて考えても、一定の真実はあるだろう。