コロナウイルス対応で各国の対応と効果がわかれている。社会体制と文化風土、イノベーションとの関係を考える上で、よいケーススタディとなるだろう。
中国は、当初、共産主義ゆえに、開示が遅れ、初期対応は課題もあったが、その後は、共産主義ならではの、①トップダウンの封じ込めが成功、②病院も中身や医師などのキャパ問題は別にしても、驚くスピードで完成させ、③感染者をスマホで管理、共産主義ゆえの個人情報が国家管理できるゆえの、DX効果である。
イタリアは、民主主義、個人主義に加え、ハグやキスといった文化が、状況を悪化させ、結果的に、トップダウンで全土を封鎖することになった。
日本は、民主主義ではあるが、公共の開示は遅れ、縦割りや、不透明さが問題だ。しかし、医療体制は強く、死者は少ない。ただ、健康保険制度が充実しているので、医療崩壊になり易い。
米国は、もっともたる民主主義の国だが、他方で、政治圧力もあり、健康保険制度が貧弱なので、風邪位では医療機関に行かず、今回も、実際には、もっと多くの感染者がいるだろうし、その結果、死亡率は高いだろう。
民主主義は、多数決の原理ゆえ、多数な無難なコンセンサスを重視し、プロセスを重視するため、時間がかかり、イノベーションには不向きという意見も多い。イノベーションにいいのは、タニマチ的な貴族や金持ちが、科学技術者にふんだんに資金を与え、自由にやらせることだろう。
今回のコロナウイルス対応は、文化・風習、社会体制、医療制度、人口分布や交通ネットワークなど地理的特性(気候、温度)、DX普及などが複雑に絡み合っている。
現時点では、宗教色が薄く、対人関係希薄、社会主義、進んでいるが患者に甘くない医療体制、開けた地で人口密度が薄く交通網が未発達で高温多湿、DXは普及、というのがコロナウイルスには強いようだが、なかなか、こういう国や地域は思い浮かばず、実は、これらの因子自身に相関性があるということだろうか。いや、むしろ、こういう因子が成り立つというのが未来社会かもしれない。