改正外為法と東証の上場基準緩和

 

コロナウイルス影響などで、それほど認識されていないかもしれないが、去る313日に、財務省が、改正外為法の政省令案を発表した。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56779320T10C20A3EA4000/

 

201911月の臨時国会で成立安全保障に関わる日本企業への出資規制強化が目的で、海外企業や外国人投資家が、持ち株を1%以上保有(これまでは10%以上)する場合において、事前届け出が必要になる業種として、武器、航空機、宇宙、原子力、電力、ガス、通信、上水道、鉄道、石油、軍事転用可能な汎用品、高度なサイバーセキュリティー等の12分野が指定され、上場企業3800社のうち、500社程度が関係し、4月下旬にリストを発表、5月施行を目指すようだ。

 

昨年から話題になり、産業界等は賛成、株式関係者は反対が多かった。純投資の運用会社は経営に関与しなければ、届け出を免除される。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53835570W9A221C1EN1000/

 

 これは、日本だけでなく、米でもCFIUSはじめ、多くの規制が増え、米中覇権や、日韓摩擦も含め、世界的な流れではあろう。アクティビストは、活動が困難になるし、鴻海などがシャープを傘下に入れるなども難しくなるだろう。特に、JDIなど、国家ファンドが大株主の場合は、台湾や中国企業が株を保有し、情報を入手、経営に影響を与えることが困難になる。これは、キオクシアの上場にも影響を与えよう。

 

 もう一つ注目される政策が、318日報道の東証の上場基準緩和であり、コロナウイルス対策として、債務超過の猶予期間が2年になるそうだ。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56919400X10C20A3EE9000/

 

 これも、JDIやキオクシアの上場に影響を与えよう。JDIは、いちごアセットの出資で、一命をとりとめたが、現在のコロナウイルス問題でスマホが下ブレとなれば、2020年度は、業績も財務も、再び、一層、厳しくなる。